「2023ジャパンパラゴールボール競技大会」が3月11〜12日にアリーナ立川立飛で開かれ、日本がリーグ戦、トーナメント戦全てに勝利し優勝した。
世界の強豪を招いたゴールボールのジャパンパラは、日本の国際競技力向上と普及の両方を目的として行われる国内最高峰の大会である。日本は、若手選手の強化の一環として大会を位置付けていた。
<参加4か国の顔ぶれ>
・日本6名(世界ランキング2位、東京パラリンピック銅メダル、東京含むパラリンピック出場者4名)
・アメリカ4名(世界ランキング3位、東京パラリンピック銀メダル、東京パラリンピック出場者3名)
・韓国4名(世界ランキング16位、2022世界選手権準優勝、パリパラリンピック出場権獲得、世界選手権出場者4名)
・フランス5名(世界ランキング18位、パリパラリンピック開催国枠、世界選手権出場者3名)
※世界ランキングは2022年12月31日時点
決勝戦 日本 6−2 アメリカ
決勝はアメリカとの対戦となった。試合開始早々にライト萩原紀佳が外から内側に入るボールでゴールを決めて先制点を取ると、日本チームに良い流れをもたらした。
2点目はレフト欠端瑛子が回転投げで相手センターを弾いて得点を挙げ、さらに萩原が得点を重ねた。センター高橋利恵子の好守もあり、前半は3−0で終了した。
後半、欠端に代わりレフトへ今回国際大会デビューの新井みなみが入ると、今までの日本になかったサイズ感と工藤力也コーチに言わしめるほどの恵まれた体格で良い動きを見せた。(リーグ戦ではアメリカを相手に2得点をあげていた)
試合後のインタビューで「今まではサーチ(聞き取り)が上手くできず逆飛びやボールを受け止められないこともあった。今日は、緊張してはいたがボールの音をしっかり聞いて受け止めることができ、海外の選手の特徴あるボールにも対応できた」とディフェンス面での成長を語った新井。これからも注目していきたい。
後半も萩原が得点を重ねて6−0。途中から、センター神谷歩未とライト小宮正江が交代で入り、今大会にエントリーした日本選手6名全員(ライト・センター・レフト各2人づつ)が決勝戦に出場した。
終盤2点を失ったものの、それまでのリードを守り6−2で勝利。優勝を手にした。
決勝戦で5得点を挙げた萩原は、「今大会の目標はポジティブ。どんな時でも声を出して凹まない。凹んでも声をかけて元気よくというのが勝ちにつながった。出場時間が長くなって疲労が溜まってくると、自分の得意とするコントロールが乱れ、得点しづらくなっていた。それを日頃の有酸素トレーニングやウエイトトレーニングでの強化した結果、今日の決勝トーナメントでのコントロールの安定につながった」と今大会での手応えを語った。
今大会の優勝について、初キャプテンを務めた高橋利恵子は、「声を出して、元気に自分たちのペースでという目標の中で、チームの雰囲気も良い中、全勝できたのは自信になった。今回は経験の浅い選手も含めて全員コートに立ち、決勝を迎えたのも良かった。得点を奪われても全員でカバーし合いチーム力がアップした」と話した。
パリパラリンピック出場への道
今年はパリパラリンピックの出場権獲得が目標となる。8月に行われるIBSA Paralympic Qualification Ranking Tournament(ランキングトーナメント)は残り5枠(女子はすでにトルコ・韓国・フランスが出場権を獲得)をかけ、30カ国あまりがしのぎを削る大会となる。しっかりとした準備をして、出場権を獲得して欲しい。
結果
トーナメント戦績
決勝戦 日本6−2アメリカ
3位決定戦 韓国7−4フランス
準決勝戦 日本7−0フランス / アメリカ5−4フランス
リーグ戦
日本5−1韓国 / アメリカ5−4フランス / 日本2−1アメリカ
韓国9−3フランス / アメリカ4−3韓国 / 日本9−2フランス
最終順位
優勝:日本
2位:アメリカ
3位:韓国
4位:フランス
(校正・佐々木延江)