3月12日、福生市営福生野球場(東京都福生市)にてブラインドサッカー・ロービジョンフットサル東日本リーグ2022 in 福生が開催された。2022年から開始されたLIGA.iが競技性を追求するトップリーグであるのに対して、地域リーグは草の根の活動、競技人口の広がりを目的としている。
北日本、東日本、中日本、西日本にブロックを分け参加チームを割り振る。各ブロックで2~3回の試合日が設定され、試合日ごとに参加チームを先着順で募集する。その中で総当たり戦を行い、開催日単位で順位を決定する。今年は北日本が1日3チーム、東日本が3日間計8チーム、中日本が2日間計5チーム、西日本が3日間計6チーム、全国で22チームが参加して開催された。今節が日本ブラインドサッカー協会としても2022年度最後の試合で、以下の組み合わせで試合が行われた。
第1試合 パペレシアル品川 vs. 埼玉T.Wings
第2試合 埼玉T.Wings vs. たまハッサーズ
第3試合 たまハッサーズ vs.パペレシアル品川
第1試合 パペレシアル品川 0 – 6 埼玉T.Wings
埼玉の加藤健人が2点(第1、第2ピリオド各1点)、菊島宙が4点(第1、第2ピリオド各2点)を決め、埼玉が勝利を納めた。品川は主に壁際の前線に選手を配し速攻を目指した。ゴールキーパーがボールを直接送ったが、なかなか選手に収まらず、ゴールが遠かった。
第2試合 埼玉T.Wings 3-0 たまハッサーズ
たまは、黒田、田中、日向の代表強化指定選手が出場した。「日本選手権のように『勝ち』に比重を置くのではなく、いろいろな選手の活躍の場と地域リーグを考えている」とたまの黒田有貴監督は試合後語ったが、その言葉の通り、できる限り多くの選手がプレーすることに主眼をおき、新しいフォーメーションを試していた。
対する埼玉の菊島充監督も「みんながいろいろなポジションを経験できるように」とこちらも途中で加藤健人を交代させるなど様々なフォーメーションを試した。埼玉は第1ピリオド、山中優汰が公式戦初となるゴールで先制し、第2ピリオド菊島宙が2点を追加したまを突き放して勝利した。
第3試合 たまハッサーズ 1-0 パペレシアル品川
先日の日本選手権決勝
第2ピリオド開始からは今節初めて、黒田、田中、日向がそろってピッチに立ったが、同時に68歳の28番大倉元宏を左の前線、壁際に置くフォーメーションを採用。積極的に大倉にボールを集め、様々な選手が活躍できるよう、正に楽しむサッカーを実践していた。試合は、第2ピリオド8分、黒田が右サイドから切り込み、ゴール右隅に決めた1点でたまが勝利した。
本節の最終順位は以下の通り。
1位 埼玉T.Wings
2位 たまハッサーズ
3位 パペレシアル品川
なお、ロービジョンフットサルは、CA SOLUA葛飾と CLUB VALER TOKYOが2回対戦し、CA SOLUA葛飾が1勝1分けで第1位となった。
閉会式において、塩嶋史郎理事長は、「この一年コロナで計画通りにすべてができたわけではないが、なんとかやり切った。明日(3/13)からマスクの使用が個人判断になるとともに、新しいシーズンが始まる」と語った。男子代表によるパリパラリンピック出場権獲得を目指すことが協会にとって2023年の目標となる。LIGA.i、地域リーグ、日本選手権など大まかなスケジュールは決まっているようだが、代表の遠征、交流試合等流動的なところがあるため、まだ正式発表となっていない。遠征費用の獲得、会場の確保が課題のようだ。本日の福生市営福生野球場は、横田基地がすぐそばにあるため、時折戦闘機の轟音が響き渡り、試合が中断させるシーンが3度ほどあった。この辺りに協会の苦労が見え隠れする。とはいえ、8月のイギリス・バーミンガムでの世界選手権まであと5か月ちょっと、パリに直結する次のシーズンのスケジュールが発表されることを心待ちにしている。
(校正・中村和彦、そうとめよしえ)