2月2日(木)から5日(日)にかけて、「ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」が千葉ポートアリーナ(千葉市)で開催された。世界ランク4位の日本は、アメリカ(同1位)、オーストラリア(同2位)、フランス(同5位)を迎えて4ヶ国で対戦し、日本は予選から決勝まで7戦全勝で優勝を飾った。
決勝はフランスは、終始接戦の展開だった。
第4ピリオド、最年長48歳の島川慎一(3.0/BLITZ)が相手ハイポインターのセバスチャン・ベルダン(3.0)を倒す強烈なタックルを浴びせるなどしてターンオーバーを重ね、57-54で勝利した。
試合後、島川は「厳しい展開になるのは予想していた。みんながハードワークをした結果が勝利に結びついた」と試合を振り返ると、勝利を呼び込んだビッグタックルについて「自分でもテンションが上がって最高だった。(48歳になっても)まだああいうプレーができるという自信もあるし、ゲームの流れを変える役目を持っている」と嬉しそうに話した。
一方、来年のパリパラリンピックに向けて開催国としても成長を続けるフランス代表のキャプテン、ジョナタン・イベルナ(3.0)は「日本は本当に強くて、どんどん成長している印象がある」と決勝を終えて振り返った。
現在世界ランク5位に位置付けているフランス。フランス国内では車いすラグビーの人気が高まっており、特に前回のヨーロッパ選手権で優勝してからの注目度は飛躍的に伸びているという。また、ラグビーファンが車いすラグビーを応援するなど輪が広がっている。
今年はヨーロッパ選手権(イギリス開催)、ワールドチャレンジ(フランス開催)、来年はパラリンピックと大きな大会が控えており、「さらにムーブメントが広がることを期待している」と述べた。
パリ五輪・パラリンピックは、世界的にも有名な観光地を会場にすることで話題を集めており、車いすラグビーはエッフェル塔の足元にあるシャン・ド・マルス公園内のアリーナで行われる予定だ。
日本国内で、「有観客で」国際大会が行われたのは「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」(2019年10月、東京体育館)以来3年半ぶりのこと。エースの池崎大輔(3.0)は「嬉しいのひとこと。車いすラグビーに興味を持ってくれて応援しに足を運んできてくれることは力になるし、競技の魅力を伝えることができるというのは喜び。こういう機会をもっともっと作っていきたい」と話した。
今年6月29日から7月2日にかけては、「2023 ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ」が東京体育館で開催される。アジア・オセアニア地域の中からパリへの出場権1枠をかけて、熱戦が繰り広げられる。
(写真取材・秋冨哲生、校正・佐々木延江)