1月7〜8日の2日間、北海道旭川市の富沢クロスカントリースキーコースで「第25回日本障害者クロスカントリースキー競技大会」が開催され、全国から身体、知的、聴覚、視覚に障害のあるアスリートが参加した。
この大会は長野パラリンピックが開催された1998年に第1回大会が開催され、毎年多くのパラノルディックスキーヤーを育んできた。多様な障害の選手が共に競い合うほか、同時開催された「クロスカントリースキーフェスタin旭川」に参加した人々がパラクロカンに親しみ、パラリンピック・ムーブメントが根づく貴重な風景がみられる。
身体障害のクラスは1月末からのスェーデン世界選手権に向けた最終調整のレースとなり、知的障害のクラスでは世界選手権の選考レースになった。
1日目・クラシカル 5km
身体 男子(身体・視覚・座位)
1位 14分55秒 新田佳浩(日立ソリューションズ、東京都、LW8)
2位 15分17秒 岩本啓吾(土屋ホーム、札幌市、LW3)
3位 16分02秒 森宏明(朝日新聞社/HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS、東京都、LW12)
4位 16分22秒 佐藤圭一(セールスフォース・ジャパン、愛知県、LW8)
5位 16分43秒 源貴晴(アムジェン/HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS、札幌市、LW12)
6位 16分52秒 有安諒平(東急イーライフデザイン/杏林大学、東京都、B2)ガイド:藤田佑平(スポーツフィールド、札幌市)
身体 女子(身体・視覚・座位)
1位 19分17秒 出来島桃子(新発田市役所、新潟県、LW6)
2位 22分23秒 岩本美歌(北海道エネルギーパラスキーチーム/青森大学、青森県、LW8)
知的 男子
1位 16分05秒 山田雄太(北海道エネルギーパラスキーチーム、旭川市)
2位 16分45秒 西村潤一(澁谷工業、石川県)
3位 17分05秒 阿部昂平(グロップサンセリテ、青森県)
4位 17分17秒 村越裕太郎(十日町アクティブスポーツ、新潟県)
5位 18分18秒 長江充(シンクラン旭川営業所、旭川市)
6位 22分17秒 山村卓裕(ワークショップひなげし、石川県)
知的 女子
1位 24分04秒 志村里莉朱(日総、旭川市)
2位 24分11秒 戸島寿々香(特別養護老人ホーム いこいの里「あい」、愛別町)
3位 25分06秒 中澤恵(佐川急便 長岡営業所、新潟県)
4位 25分15秒 大場碧(特別養護老人ホーム いこいの里「あい」、愛別町)
■1日目・優勝者の談話
新田佳浩(日立ソリューションズ)
「今大会は第25回という四半世紀続く大会となりました。長野パラからずっとやってきた私にとって節目の大会で優勝することができたことは感慨深いです。
これまで携わっていただいた関係者の方々、今大会に関わっていただいた方がいることで選手としてレースを行うことができていることに感謝して、明日のレースもベストを尽くしてレースに臨みます」
出来島桃子(新発田市役所)
「今日のレースは、練習してきた滑りで、次の大会につながる走りを目標に頑張りました。大会関係者の方々への感謝を忘れずに明日も頑張りたいと思います」
山田雄太(北海道エネルギーパラスキー部)
「今日のクラシカル5kmのレースを振り返って、世界選手権代表選考レースということで、緊張はしましたが無事にレースを終えました。しっかりとリズムに乗って走り、前の選手をしっかり追うことができ、良い形でレースができて良かったと思います。
登りのダイアゴナルで、少し力んでしまいましたが、全体的に冷静な滑りができて良かったと思います。
明日の5kmフリーでは、世界選手権大会代表に向けて、今日の調子で頑張っていきます。旭川スキー連盟の皆さんコース整備、大会運営して頂き、本当にありがとうございました。コーチの皆さん、スキーの板をしっかり仕上げて頂きありがとうございました。明日も頑張ります」
志村里莉朱 (日総)
今日のクラシカル5kmレースでは、前にスタートする人を追いかけ、抜くことができました。タイムを少しでもロスしないよう、コースの内側を走ることができました。
平地でのダブルポールが少なかったので、今後のクラシカルレースでは、そこを意識して走りたいと思います。
とても素晴らしいコース整備をしていただき、ありがとうございました。スキー板のワックスもとてもよかったです。ワックスマンのみなさん、ありがとうございました。明日も優勝目指して頑張ります」
2日目・フリー 5km
身体 男子(身体・視覚)
1位 13分54秒 佐藤圭一(セールスフォース・ジャパン、愛知県、LW8)
2位 14分30秒 新田佳浩(日立ソリューションズ、東京都、LW8)
3位 14分51秒 岩本啓吾(土屋ホーム、札幌市、LW3)
身体 女子(身体・視覚)
1位 16分26秒 出来島桃子(新発田市役所、新潟県、LW6)
2位 19分33秒 岩本美歌(北海道エネルギーパラスキーチーム/青森大学、青森県、LW8)
知的 男子
1位 14分19秒 山田雄太(北海道エネルギーパラスキーチーム、旭川市)
2位 14分56秒 西村潤一(澁谷工業、石川県)
3位 15分32秒 阿部昂平(グロップサンセリテ、青森県)
知的 女子
1位 20分57秒 戸島寿々香(特別養護老人ホーム いこいの里「あい」、愛別町)
2位 20分58秒 志村里莉朱(日総、旭川市)
3位 23分21秒 中澤恵(佐川急便 長岡営業所、新潟県)
3位 23分21秒 大場碧(特別養護老人ホーム いこいの里「あい」、愛別町)
座位 2.5km
座位 男子
1位 6分45秒 森宏明(朝日新聞社/HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS、東京都、LW12)
2位 7分08秒 源貴晴(アムジェン/HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS、札幌市、LW12)
3位 7分25秒 柴田真聖(土屋ホーム、札幌市、LW11.5)
■2日目(8日)優勝者の談話
佐藤圭一(セールスフォース・ジャパン)
「合宿から現地入りし連戦で疲れが少しありましたが、得意のスケーティングで勝つ事ができて良かった。前日から更に気温が低くなりスキーが滑らない状況で持ち味のワンスケートを軸としてコース攻略できた事が勝因。
2020年の肩骨折の怪我から自分の滑りが復調に向かってきていますが、スケーティングの世界レベルには未だほど遠く更なるレベルアップが今後の課題。今月開催される世界選手権スウェーデン大会に向けて良い経験となりました」
森宏明(朝日新聞社/HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS)
「本日のレースは、得意としているスプリント(1km程度)同様の爆発力と、そこに持続力が求められていると捉えて自身の課題としました。スピードの維持に関しては1km地点を過ぎた後半に落ち込む傾向があるため、それを少しでも抑えるため事前にコース戦略を練り、ペース配分とスキーテクニックを意識してタイムロスを無くすよう努めました。
また同時開催の「クロスカントリースキーフェスタin旭川」に参加していた方々から多くのご声援をいただき、大会最終日も元気に滑走することができました。今大会で多くのシットスキーヤーが参加していたことを会場で知り、私自身とても嬉しく感じました。国内においても見応えのあるハイレベルなレースを展開していけるよう精進します。
最後に、今大会に携わっていただきましたすべての皆さまに心より感謝申し上げます」
阿部昂平 (グロップサンセリテ)
「二日間のレースでは、よかったこと、反省点、久々の大会ということで不安がありました。サポートをしてくれたコーチの皆さん、会場のみなさんの応援が力になり、ベストを尽くして3位に入ることができて、とてもよかったです。
今回のレース結果で、世界選手権代表内定となったので、残り2ヶ月しっかり動ける体にして、ベストパフォーマンスを出せるよう頑張ります。大会運営をしていただいたみなさん、本当にありがとうございました」
中澤恵 (佐川急便 長岡営業所)
「シーズン最初の大会が終わりました。あまり練習ができていなくて、とても悔しい二日間のレースになってしまいましたが、諦めず最後まで滑りきることができたので、良かったです。世界選手権代表に内定したので、このあとしっかり練習して自分の走りができるようにしたいです。大会準備をしていただいたみなさん、ありがとうございました」
情報・写真提供;日本障害者スキー連盟