スイム・バイク・ランを順に行いタイムを競うトライアスロン。横浜トライアスロンは、オーストラリア、アジア、ヨーロッパ、アメリカと大陸をまだいで転戦し年間のチャンピオンを決めるシリーズ戦の仲間だ。山下公園とみなとみらいを結ぶ横浜一番の観光コースを舞台に毎年開催されている。
今年の横浜大会は、5月14日にオリンピック・パラリンピックの選手らが出場するエリートのレースが、15日に年代別に別れ出場するエイジグループのレースが2日間にわたって同時開催される。日本最大のトライアスロンイベントだ。障害のある人のパラカテゴリーは両日とも全カテゴリーの最初にスタートする。
レースに先立ってオンラインで記者会見が行われ、出席した東京パラリンピック金メダリストのスザーナ・ロドリゲス(全盲・PTVI/スペイン)は、
「横浜は美しく素晴らしい都市で、一番好きです。市民の皆さんもアットホームで、故郷にきたと感じる。今回は参加選手も少なく寂しいが、イベントをよくしていくチャンス。PTVI(視覚障害クラス)の女子も少ないが、若い選手が入ってくることが課題で楽しみです。このレースを選手全員が楽しみ、結果を残せたらと思います」と話し、ガイドのサラ・ロエルも大の日本ファンであることや、前回、東京ではコロナ禍で選手村から出ることができず、今回少し落ち着いたなかで横浜を楽しみたいと来日の喜びを伝えてくれた。
日本勢は宇田秀生、木村潤平に注目
日本人からは東京パラ銀メダリストの宇田秀生(PTS4男子、上肢欠損/NTT東日本・NTT西日本/滋賀県)が出席。
「(コロナで)まだ選手が完全にはもどってきていない。僕から、パラトライアスロンを盛り上げたいと思っています!」と力強く語った。
東京パラ6位の木村潤平(PTWC男子、座位/Challenge Active Foundation・サンフラワー・A/東京都)は、リオパラリンピックへ新たな種目となった当初、2013年に水泳からトライアスロンへ転向してきたベテラン・パラリンピアンである。
「東京パラが終わって以来、この横浜大会が初のレースになる。不安や緊張もあるけど、とにかく楽しみたい。街並みが綺麗で、レース中は観ている余裕はないかもしれないけど、こんな素敵なコースを走れるのは魅力的。観客も多くなると思うので、雨は降らないでほしい」
5月14日(土)朝6時50分にスタートする「パラトライアスロン」は、戦禍にあるウクライナ選手2人を含む世界から 44人(男子33・女子11)のパラアスリートが集合、東京パラからパリパラへ向かうシーズン最初のレースで、これまでにない国際情勢の中どのように挑むのか。
翌15日(日)は、日本最大規模のレースで市民レースとしてのトライアスロンの醍醐味が展開される。パラアスリートは7時15分から23人(男子20・女子3)がエントリーしている。
2020年大会はコロナで中止となり、昨年は横浜大会、東京パラリンピックとも無観客で開催された。あいにくの雨が予想されるが、今週末、パラリンピック競技を目の前で応援、生観戦ができるこの機会をお見逃しなく!