10月17日、2014仁川アジアパラ競技大会会場。開会式より一足早く競技が始まった車いすバスケットに、会場は多くの地元の学生や一般の人々が集まり、韓国コールだけでなく、日本へのエールも熱心に送っていた。敵味方なくプレーごとに贈られる拍手や声援は、運営側でのあらかじめの仕掛けかもしれないが、子供から大人まで、ゲームを心から楽しんでいた。
そんな中、日本代表チームの前半は好調、地元韓国を押してイケイケなムードだった日本。初めて観戦にきた人なら、韓国より日本が格上のチームだと思うだろう。テンポのよい流れで、よくパスをつなぎ、ゴールを決めていた。しかし前半終了まぎわから韓国チームの勢いがあがってきた。前半は30ー34の日本リードで折り返したが、後半に入るとすぐ韓国チームの反撃が執拗に始まった。その後はすべてのセッションで、12番のCHO Seung-Hyun選手がリバウンドからボールを奪うとゴールまでの執念を燃やして向かった。前半は10点以上の差が開いていたが、ついに逆転。1点を取り、取り返す攻防が続いたすえ、59-58でアジアパラ車いすバスケットボールの初戦は韓国チームが制した。
「韓国チームは、シュートを確実にするために力を尽くして向かってくる。それが韓国チームの強さになると思います。試合の内容はわるくなかった。初戦のいまの状況を確認して、終盤に向けて力をつけて行く闘い方をするというのは、もともとの計画です」と試合後、日本チーム・及川晋平監督は話していた。