3月7日、雲頂スノーパークでスノーボードクロスのトーナメントが開催された。「雪上の格闘技」と言われ、4名が一斉にスタートして、障害、ジャンプ、バンクの各セクションを舞台に競う。
女子クラスの減少と未来
女子下肢障害/軽度:SB-LL2では、下肢障害/重度:SB-LL1のチェチリ・エルナンデス(FRA)が公式練習でのけがをものともせず、予選から決勝まで全レーストップで金メダルを獲得。
同じく下肢障害/重度のブレナ・ハッカビー(USA)も、この障害の軽いクラスに出場し、銅メダルを獲得という快挙を達成した。
この件について、競技後に行われた日本チームの記者会見で岡本圭司(牛乳石鹸共進)は、「(競技者の少ない)ULとかLL1の選手も出れるよう、男子スノーボード選手が女子クラスの危機というストーリーをSNSなどでを呼びかけていた」と語っていた。日本も育成に一人の女子がいるという程度で少なく、スノーボーダー全体で女子選手の応援を成し遂げた快挙でもあった。
中国の躍進
参加国単位では、ホスト中国の躍進が目についた。前回平昌大会では男子4名の代表チームでJiang Zihaoの9位が最高位であったが、今回は女子4名、男子13名が参加し、男子の上肢障害:SB-ULでは、決勝戦の4枠を独占するという冬季パラリンピック初の快挙を成し遂げた。
金メダルのJi Lijiaが19歳、銀メダルのWang Pengyaoが21歳、銅メダルのZhu Yonggangが20歳とみな若く、Jiがインタビューで語ったように「母国に栄光をもたらす」結果となった。
また、下肢障害/重度:SB-LL1でもWu Zhongweiが銅メダルを獲得した。今後の中国の躍進を予感させる。
さらに、男子 下肢障害/重度:SB-LL1 ではタイラー・ターナー(CAN)が、
「4年前にはパラスノーボードで表彰台に立つとは夢想だにしなかった。信じられない」という控えめなコメントとは裏腹に、予選から決勝まで全レーストップという盤石なレース展開でカナダチームに初の金メダルをもたらした。
SB-UL(腕の障害)で表彰台を独占した中国、強豪アメリカについで6名の代表を送り込んだ日本は、5名が準々決勝に進むも、決勝進出は0という結果に終わった。下肢障害/重度の準決勝で接触から順位を落とし5位入賞に終わったキャプテンでもある小栗大地(三進化学工業)は、「正直、本当に悔しい」と語っていたが、「チーム6人ともいい滑りをして自分の実力を出せたのではないか」と、チームの善戦をたたえた。
スノーボードクロス終了後の中間記者会見では、チームとしてのまとまりの良さをにじませている日本チーム。次の種目は11日のバンクドスラロームでそのチーム力を発揮し、悔いのないレースを見せてほしい。
(編集校正・佐々木延江)