北京パラリンピックは、競技エリアが3つに分かれている。車いすカーリングやパラアイスホッケーの会場がある北京、アルペンスキーの会場がある延慶、そしてクロスカントリー・バイアスロン・スノーボードの会場がある張家口。
私たちが泊まっているエリアは張家口であるが、すべての競技をカバーするため、高速鉄道を使っている。もちろん他のメディアも会場間の移動に使っており、なくてはならない存在だ。
私は中国に来た翌日の3月7日に、早速この高速鉄道に乗る機会が訪れた。大会期間中はメディアや関係者に貸し切りされており、鉄道予約アプリの中で専用のページを使って予約を行う(乗車は無料)。
張家口に一番近い「太子城駅」に余裕をもって着くと、待合ロビーに通された。そこにはコーヒーを淹れるロボットがお目見えしており、早速コーヒーをいただいた。しっかり複数のコップに注ぎ分ける上に、出がらしの豆はひっくり返して捨てるので、かなり芸が細かくできている。
この待合ロビーで、パラアイスホッケー日本代表でバンクーバー大会銀メダリストの永瀬充さんと遭遇した。永瀬さんは北海道新聞の社員としても働いており、取材として北京を訪れている。
一緒に列車に乗り込むと、「ミッツ!(永瀬さんのニックネーム)」を声をあげながら、永瀬さんと再会を喜び合う外国人がたくさんいた。まずは、パラアイスホッケーのレフェリーチーム。ちょうどこの日は試合がなかったので、スノーボードを観に行っていたそうだ。
そして、KPC(韓国パラリンピック委員会)の人たち。下記の写真を一緒に撮ったのは、KPCが運営するナショナルトレーニングセンターでチーフをつとめる、パクさんだ。
パクさんは、パラパワーリフティングの選手として2000年シドニーと2004年アテネのパラリンピックで2大会連続で金メダルを獲得しており、パラアイスホッケー韓国代表GKとしても活躍していたアスリートである。
永瀬さんとはパラアイスホッケーのつながりで親交があり、北京につくまでずっと話がつきなかった。
パラリンピックでは、ボランティアや関係者とお互いの持っているピンバッジを交換する文化があり、パクさんからも韓国のピンバッジをいただいた。そして、私の夫がパラリンピックの車いすラグビーでメダルをとったことを伝えると、「今度夫婦で韓国においでよ。おいしいご飯おごるからさ!」と笑顔で喜んでくれた。
スポーツは人の心をつないでくれる。時間にして50分の、高速鉄道の旅。
世界がこんな状況だからこそ、胸がじんわりと温かくなった。