関連カテゴリ: BEIJING 2022, PHOTO, クロスカントリースキー, デイレポート, 冬季競技, 国際大会, 知り知らせる, 観戦レポート — 公開: 2022年3月9日 at 12:29 PM — 更新: 2022年3月10日 at 7:48 PM

クロスカントリー界のレジェンド、ブライアン・マッキーバーの哲学。メダル獲得にも「色や数は気にしない」

知り・知らせるポイントを100文字で

パラリンピック・クロカン界においてレジェンド中のレジェンド。今日はブライアン・マッキーバーの姿を目に焼き付けて!もしかしたら北京は現役最後になるかもしれないから!

北京パラリンピックのクロスカントリーは3月7日、長距離種目が行われ、男子視覚障害のクラスでは、ブライアン・マッキーバー(B3/CAN)が優勝。マッキーバーはパラリンピックでのメダル数を通算18個に伸ばした。

42歳のレジェンドは、この日もぶっちぎりだった。7.3キロ地点を19分24秒8で通過すると、15キロ地点では41分06秒8で通過。最終的には55分36秒7でフィニッシュし、金メダルを獲得した。

視覚障害のクラスはガイドと一緒に滑る。阿吽の呼吸もマストだ 写真・中村Manto真人

マッキーバーは19歳の時、目の変性疾患である「スターガート病」と診断され、現在の視力は10%以下。2002年トリノ大会から2014年ソチ大会まではクロスカントリーとバイアスロンの2種目、2018年平昌大会からはクロスカントリーに絞って出場している。

また、2007年の世界選手権(札幌)を含め、健常者のクロスカントリースキーでもカナダ代表として活躍しており、カナダ在住の中村Manto真人カメラマン(当サイト取材班)によれば、「日本でいう長嶋茂雄や王貞治のような存在だ」という。

表彰式でのマッキーバー(背番号68のビブス) 写真・中村Manto真人

通算18個のメダルのうち、実に14個が金メダルというマッキーバーは、
「メダルの数や色はほぼ気にしていない。私たちは毎日厳しいトレーニングをこなし、その結果として最高のパフォーマンスが出せるように努力している。私たちが完璧であっても負けることはあるし、それは他者が優っていた証。そんな日でも常にベストで望み、かつ“楽しむ”という意識は持つようにしている。今日は私たちにとって充実し、最高の日であったことは間違いない」と語った。

表彰式直後でも落ち着いた表情で答えるマッキーバーに、レジェンドの美学を感じた。

「1周目でスキー板がよく滑って、“今日はいける”と感じた」 写真・中村Manto真人

マッキーバーは北京パラリンピックを最後に引退する意向を示しており、残りの日程で有終の美を飾る。今日9日は短距離の種目。マッキーバーの滑りに注目だ。

(校正・佐々木延江)

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