もともとは3月1日から来る予定だった北京パラリンピックは、個人の都合により、6日に中国入り。
すでに来ていたパラフォトメンバーや現地ボランティアに助けられながら、当初の予定より短くなってしまった日程を惜しみなく使い切る予定だ。
私たちが泊まっているのは、北京から200キロ離れた、山岳エリア・張家口。
到着翌日の7日は、その張家口で朝からクロスカントリーを取材し、その後メディアバスと高速鉄道(最高時速350キロ!)を乗り継いで、北京市内で行われている車いすカーリングを22時まで取材した。
ここで悩んだのが、帰りをどうするか?ということ。
高速鉄道には終電があるし、メディアバスを使って帰ると3時間かかり真夜中になってしまう。
そこでパラフォトメンバーに言われたのが、「MMC(北京のメインメディアセンター)に仮眠部屋があって、泊まれるよ」。
それを聞いた私は即答で「それでいきます」。
その一言が、数奇な一夜の始まりだった。
実際にMMCで部屋を探しても、見つからない。私はボランティアに聞く。「Is there a room to sleep,right?Where is it? 」
すると、「Go straight」と通路を指差された。
ん?まっすぐ?指差されたところを見てもドアなんてないぞ……
そう思って、近づいてみると、ありました。
透明なボックスの数々!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドアには鍵がかかっていて、QRコードでアプリをダウンロードして使うそうだ。
外国人である私は自分のスマホでダウンロードが対応できず、通りかかった中国人男性記者に聞いたら彼のアプリで代わりに開けてくれた(本当に中国人は優しい人ばかり……謝謝)
中にはリクライニングベッドがあり、アプリで高さを調整できる。
さらにリモコンでベッドの振動を加えることができ、リラクゼーションを楽しむことができる。
使い捨てシーツはあるが、布団はない。私は持ってきていたダウンコートをかぶって寝ることにした。
ベッドそのものの感触は高品質だ。
実際に横になると、メディア、警備員、掃除のおばちゃん……いろんな人がこっちを見てくる。
上は吹き抜けになっているので、音の遮断もゼロ。
これは「公開睡眠」じゃん…寝られるのかしら……
そう思いながら、いつの間にか深い眠りに落ちていた。
旅の疲れとベッドの柔らかさが、いざなってくれたのだろう。
ちなみに、利用は無料だ。