北京2022パラリンピックが3月4日開幕し、現地時間20時に開会式が行われた。開会式のテーマは「improve」「go beyond」「together」。
戦時下とされIPCがエントリーを却下したロシアおよびベラルーシからの合計83名(ロシア71名・ベラルーシ12名)を除く、46カ国・約560人の障害のある選手が出場。日本からは選手29名・競技パートナー44名の合わせて総勢73名が大会に臨む。
開会式が行われたのは、国家体育場(通称:鳥の巣)。2008年の夏の北京五輪・パラリンピックのメイン会場となった場所だ。今大会マスコットキャラクターの「シュエ・ロンロン」がスケート靴を履いて登場すると、グラウンドには「WELCOME」の文字が現れた。
日本の入場行進は2番目と早かった。21時過ぎの気温は5度と冷たい空気の中、主将を務めるアルペンスキーの村岡桃佳(トヨタ自動車)、旗手を務めるクロスカントリースキーの川除大輝(日立ソリューションズ)を筆頭に、日本選手団は手を振りながら行進した。
国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長はあいさつで、「きょうは平和のメッセージから始めなければいけない。今世界で起こっていることに強い衝撃を受けているし、戦争と憎しみの時代ではない。ここ北京パラリンピックに集まった選手たちは戦争を戦うのではなく競い合ってお互いを尊重していく。世界はアスリートたち同様1つになり、ともに生きる場となり、分断されてはいけない。スポーツはその力になり、国をも変える力がある」と、ウクライナ情勢にも思いをはせた。続いて習近平国家主席による開会宣言が行われた。
クライマックスは、今大会目玉の「最小のアギトス」。視覚障害のあるパフォーマーが手のひらに描かれた「スリーアギトス(パラリンピックのマーク)」を掲げ、そのペイントを他のパフォーマーと手を合わせることで分け合う演技が見られた。その後、視覚障害のあるパフォーマーがグラウンドに手のひらをつけると、グラウンドに大きなスリーアギトスが表れる演出が行われた。スリーアギトスはラテン語で「私は動く」という意味があり、小さな一歩が大きな変化をもたらすことを表現していた。
大会は3月4日から13日までの10日間の日程で、6競技78種目が行われる。
(編集校正・佐々木延江)