オリンピックが終わると北京も暖かくなるようだ。ここ数日の北京、鳥の巣(=国家体育場)、MMC(メインメディアセンター)周辺の気温は6度。オリンピックの頃の気温より3〜5度くらい高くなった。そして、そんな小さな変化を見逃さないのが、彼ら本物の鳥たちで、その鳥たちの巣作りの営みがなんとループ内でもここそこで見られる。
北京での2日目の午後、マウンテンエリアの張家口へ向かった。13時にMMCから高速鉄道駅へ行くバスは予定より10分早く出発した。その車中で北京外語大学修士課程2年生のホウ・ゴシンさんに出会い、MMCから張家口のホテルまで約3時間をともに旅した。日本語を上手に話す彼女は、日本選手団の要人スタッフをサポートするボランティア。
河合純一日本選手団団長は先日の結団式で「パラウインターの醍醐味は、大自然と道具と選手の心身の結晶であること」と、語っていた。
標高差のあるマウンテンエリアではまだまだ寒く氷点下の世界だ。オリンピックの頃はマイナス20度にもなったが、パラリンピックでは緩むのと、人工降雪の雪の粒が競技にどのような影響をもたらすのか。
北京パラは盛り上がるだろうか?
「オリパラのマスコットについてどう思う?(オリンピックの)ビンドゥンドゥンは氷の結晶のシェルスーツを着たパンダで、パラリンピックは灯り?とはどうなんだろう」と、若い中国の女性の意見を確かめようと質問してみた。
「ビンドゥンドゥンはもう売り切れですね、パンダはすごい人気。でも、シェロンロンのほうが目が小さくて可愛いという人もいますよ。知られるようになると、また人気も出るとおもいますよ」とのことだった。
IPCアンドリュー・パーソンズ会長は、2月26日の中国人民日報のインタビューで「2008年、中国は夏季パラリンピックを新たなレベルに引き上げた。冬季パラリンピックでも同じことを望んでいます」と話していた。
スポーツ最高峰の魅力をもつオリンピック、それにくらべ控えめなパラリンピックという印象があるかもしれない。しかし、オリンピックの後にやってくるパラリンピックで、スポーツがもたらす魅力の大きさに世界の目が再び開くことになる。
完全に無観客ではないところが北京大会といえる。コロナ禍を乗り越えた光景が繰り広げられることだろう。
「北京から張家口へ」2月28日のフォトギャラリー(PARAPHOTO Facebook)
(写真取材・中村 Manto 真人)