「北京2022パラリンピック冬季競技大会 日本代表選手団 結団式」が2月24日、都内で開催された。東京大会に続くコロナ対策の下での会場には、オンラインで秋篠宮殿下のご列席も賜り、東京2020大会に引き続き日本選手団を率いる河合純一団長、主将の村岡桃佳(チェアスキー)、旗手の川除大輝 (クロスカントリースキー)らが登壇した。
日本代表に選ばれた選手たち、井田智宏副団長らすでに北京いりした先発隊はオンラインで参加した。
開催される6競技のうち日本選手はアルペンスキー、ノルディックスキー、バイアスロン、スノーボードの4競技に29名(男子21名、女子8名)が出場する。競技パートナー44名と合わせ総勢73名の選手団を北京へ送り出す。
競技と選手・スタッフ全員の名前、大会日程が紹介されたあと、団旗が森和之会長(日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会会長)から、団長の河合へ手渡され、旗手の川除へと受け継がれた。
競泳の金メダリストとして、東京大会から日本選手団を率いる河合純一日本選手団団長は、
「北京2022パラリンピック冬季競技大会 日本代表選手団を代表し、このような結団式を開催いただきありがとうございます。秋篠宮殿下、岸田内閣総理の心温まるお言葉に御礼申し上げます。3月4日から13日の10日間、北京を中心に行われるパラリンピックは史上初の夏・冬同一都市開催の大会です。最高のパフォーマンスが、コロナ禍で困難に直面している人々への感謝につながると考えています。選手の皆さんは、厳しい選考のなか代表に決まり、おめでとうございます。コロナの困難と向き合ってきたなか、諦めずトレーニングを継続してきたことが今を迎えている。勇気・強い意志・インスピレーション・公平というパラの4つの価値を体現してほしいと思います。
感染症対策が厳しく、海外での試合経験も多く積めないという意味では、過去に例の見ない大会です。だからこそチーム力と対応力が強く求められているので、役員やコーチの皆さんは最高のパフォーマンス発揮に向けたサポートをお願いいたします。
冬の大会の魅力は、自然と向き合うことと、用器具と一体となりこれまで鍛え上げてきた心身、それらがかけあわされた時に最高のパフォーマンスが発揮されると思う。
活力ある共生社会に向けて、熱い声援をお願いしたい」とあいさつした。
村岡主将は、「いまだ収束しないコロナの中で医療従事者・介護従事者に選手団を代表し感謝を申し上げます。北京五輪では日本選手が果敢にチャレンジし、ベストを尽くす姿で大きな感動をもらいました。そして、チームジャパンの強さやスポーツの力を感じました。
私たち日本代表選手団も、東京から引き継いだ冬季大会までの流れを絶やさぬよう、諦めない覚悟を持ち戦います。日本代表にご声援をいただきますようお願いします。
障害のあるなしにかかわらず、日本の未来を担う子どもたちに見てもらい、無限の可能性を感じてもらえることを願っています」と決意表明した。
結団式のあとに行われた記者会見で、主将の村岡は、「主将という大役が自分に務まるのか、不安や責任感があったが、アルペンチームを引っ張ってきた先輩の大輝さん(森井大輝)が”桃佳なら大丈夫”といってくれた。正直社交的ではないし人見知りでコミュニケーションは上手ではないけど、そんな自分の殻を破って、日本選手団の主将として明るい気持ちで先頭に立って引っ張っていきたい」と話した。
前回平昌大会では、出場5種目全てで金メダルを含む5つのメダルを獲得している。昨年は東京大会で車いす陸上競技に出場した。大会期間中の3月3日に25歳の誕生日を迎える。
2度目のパラリンピックを迎える旗手の川除大輝は、「(北京五輪クロスカントリー代表の)廣瀬崚選手は、小さいころから一緒にスキーをしてきた。日本のクロカンを引っ張る滑りで、身近な人が五輪で活躍しているのがいい刺激になり、次は自分だ”という気持ちになった。五輪の後にLINEのやりとりをしたが、”クロカンのコースは標高高いので、心拍が上がりきらなくてツラいと言っていた。
いま(自分)は標高2000mの湯の丸で合宿をしています。今まで課題としてきた体幹もこれまで以上に仕上がってきていると思います。北京では自分が今まで積み上げてきた4年間の全てを発揮できれば成績はついてくると思う。すべてを発揮できるように調整して頑張りたい」と語った。
2008年の北京大会は総務として参加した桜間裕子副団長は、「前回は夏の大会でコロナもなく、たくさんのボランティアが献身的に関わってくださったのを覚えています。今回はコロナもあり人数を制限してやっているので五輪の情報を聞くにしても難しい部分がある。現地の中国の学生やNPCボランティアと交流できればと思う。そういう状況で小さいコミュニティかもしれないけど国際交流ができるチームでありたい」と現地滞在への想いをかたった。
河合団長は「桜間副団長は以前にJPC職員として女性アスリートの支援もされていた。さまざまな経験も踏まえて、桜間さんが入っていただくことによってプラスの効果が表れると考えています。選手村が2ヶ所に分かれることで難しさもある中で、語学も含め柔軟に対応していただけることを大いに期待しています」と加え、スタッフの対応力の重要性をあらためて強調した。
北京パラリンピックは、3月4日に開会式が行われ、5つの会場で6競技・78種目が行われる。日本代表は4競技に出場する。
(写真取材/山下元気、編集校正/久下真以子)