東京パラの経験を活かしパリパラへ
準決勝ラウンドに進んだ、たまハッサーズ黒田・田中両名に、東京パラリンピック後クラブチームで初めて試合に出場した感想や、東京パラリンピックの経験がどう活かされたか、パリパラリンピックに向けた思いについてインタビューを行った。
東京パラで得た多くの体験を次世代につなげる:黒田智成
Q:2試合で2ゴールを決めましたが?
A:東京パラリンピックが終わった後しばらくボールを蹴っていない期間があったんですけど、チームで練習し始めて最初の試合ということで自分自身身体のキレがまだまだ足りないなぁという感じでの試合となったんですけれど、大事なところで点を決めることができて、何よりもチームが勝つことができて良かったです。久々にクラブチームでの試合だったので、みんなで楽しみながら勝つことができて良かったです。
Q:チーム紹介で今日の試合は楽しむということがテーマにありましたが、いかがでしたか?
A:しっかりボールを回してそれぞれの良さを出しながら進めることができたのでやっていて楽しかったです。でも結果が伴わないと楽しさだけでは次に進めないのでそういう意味では楽しみながらも勝つことができたので良かったです。
Q:第4試合のGLAUBEN FREUND TOKYOのディフェンスに苦労したと思うが、最後に突破できた理由は?
A:それまではチームでボールを回していきつつゴールを決めるところまでいかなかったんですけど、回して崩していって形になったのかなって思います。自分はディフェンス背負ってターンからのシュートは得意ではないんですけど、あのシーンでは中央をしっかり人数で詰めて出てくるというディフェンスだったので、ディフェンスを背中で押さえてシュート、苦手なシュートをイメージ通り決めることができて良かったです。
Q:相手が引いてきてPK狙いになってきた時間帯で自分が点を取ろうという気持ちはありましたか?
A:GLAUBEN FREUND TOKYOはPK戦が強いのが分かっていて、自分たちはそんなにPKが得意ではないので流れの中で最後時間もわずかだったので「ここでしっかり点をとって」と思っていました。
Q:今日のチームプレイにおいて東京パラの経験が活かされたところはありますか?
A:東京パラリンピックに向けて一緒にトレーニングしてきたメンバーも同じチームに4人いますし、そこで経験してきた技術戦術なんかもチームでも活かしながらプレイすることができたので、その点はクラブチームの方にも個人のスキルの方にも活かされているのかなと思ってます。
Q:準決勝ラウンドに向けた抱負を。
A:予選を勝ち上がってきたチームはどこのチームも強いと思いますし、普段やり慣れていない体育館での試合なのでなかなか難しい試合になるとは思いますが、最後の決勝が八王子でやる予定になっているので八王子での決勝戦に進めるようにまたトレーニングして頑張っていきたいと思います。
Q:パリパラリンピックに向けた目標は?
A:東京パラリンピックですごく多くの経験をしたので、その経験を次の世代につなげていくためにも、まだ新しい代表の動きは始まっていないんですけど、プレイの中で伝えていけるように自分の中では頑張っていきたいと思ってます。
Q:今振り返って東京パラリンピックの経験はどんな経験でしたか?
A:一つは私のブラインドサッカー の集大成だったと思ってます。どの試合も自分にとっては幸せな瞬間でしたし、どのゴールも思い出に残る、これまでにやってきたことが凝縮された、そういう大会だったなと思います。
Q:それを活かして今後どんなことをしていきたいというビジョンがありますか?
A:ブラインドサッカーを始めて何度も悔しい思い、出れないという思いをしてきたので、ようやく努力とか積み重ねてきたことが東京大会で一つの形にすることができました。経験を今後プレイで次の世代の選手たちに伝えていきたいと思っています。ユースの若い子たちの合宿に、たまハッサーズとして練習試合をする機会があって元気のいい中高生世代の選手たちのすごいアグレッシブなプレイを体で感じることができたので頼もしいな、もっともっとプレイを磨いていって欲しいなと思いました。自分がブラインドサッカー初めたのは23歳の時なのでもう中高生からサッカーできることがホント自分からすると羨ましいというか幸せなことですし、そこからプレイを磨いていくとすごい選手に育っていくんじゃないかなぁと将来が楽しみになりました。
Q:黒田選手から中高生世代に一番伝えたいことは?
A:ブラインドサッカー は楽しい。ボールは友達だっていうこと。それを常に忘れないでプレイして欲しいなと思ってます。その中で技術とかは自分もそうなんですけれども今までサッカーを見たことない選手も時間をかければ必ずうまくなるので時間はかかるけど必ず努力すれは上手くなって行くのでそういうところを伝えていければいいかなと思ってます。
→インタビュー:日本代表がチームを引っ張る:田中章仁