担当/車いすラグビー、アーチェリー、競泳
東京にパラリンピックがやってくると決まったあの日から、8年がたってしまったのかと、月日の流れの速さに驚いています。あの日思い描いていた東京の街と、今の東京の街には、違いがある。街じゅうにたくさんの外国人が行きかい、スタジアムで観客が熱狂する。そんなことは幻想に終わってしまったけれど、東京パラリンピックが違う形になっても開催されたことは、本当によかったと胸をなでおろしています。
私は、10年前に出会った車いすラグビーのキャプテン、池透暢選手の「境遇を言い訳にしない」という精神に惹かれて、パラスポーツの世界に飛び込みました。今大会では、水泳の木村敬一選手が金メダルを獲得したときに、「この日のために頑張ってきたけど、この日はもう来ないんじゃないかとすら思った。こうやって迎えることができてすごく幸せ」という言葉に胸を打たれました。
長いトンネルを走り続けているような日々でも、未来を信じて頑張ってみようという気持ちになれました。
パラアスリートの言葉には、生きるヒントが詰まっている。見ている人に少しでも元気を与えられるような言葉の力を、これからも伝えていきたいと思いました。
久下真以子