8月の猛暑から一転。このところ肌寒い日が続いており、屋外競技の選手にとっては「気温の変化への対応」が強いられている。
アーチェリーでは9月2日、女子個人リカーブオープンが行われ、初出場でメダル獲得を目指す重定知佳(W2/林テレンプ)が登場。
準々決勝で第1シードのウー・チュンヤン(W2/中国)に敗れ、目標には手が届かなかった。
空もすっかり暗くなり、重定の準々決勝が終わって気温を見ると、19度。雨がしとしとと降り、立っているだけで体がどんどん冷えていく。
上着を羽織らないと震えてしまうような天気だった。
選手にとっても厳しい天候の変化となったが、重定は2つの防寒対策をして試合に臨んでいた。
1つは、ユニフォームの2枚重ね。
もう1つは、ヘアドライヤー。試合前練習で濡れてしまった体を乾かすことで、ユニフォームの肌への張り付きを解消するだけでなく、冷えてしまった体を温めて、しっかり動くようにしていたのだ。
選手村での生活のために持ってきたドライヤーが、意外なところで大活躍。
「雨は問題ないけれど、ここまで気温が下がるのは想定外だった。これは今後も使えそうだなと」
新たな発見があった重定は、9月4日に混合団体リカーブオープンに出場する。
長年の相棒、上山友裕(W2/三菱電機)とペアを組んで、東京パラリンピック最後の戦いに挑む。