「自分たちがミスしたところは確実についてくる」
「ブラジルは隙がない。ちょっとしたずれに入ってきます」
王者ブラジル相手に4失点を喫した日本代表守備の中心である田中章仁と、ゴールキーパー佐藤大介の試合後の言葉だ。
東京パラリンピック5人制サッカー2日目の8月30日、日本代表は王者ブラジルと対戦。0-4で敗れた。フランス戦であげた4点が相殺され、得失点差はプラスマイナス0となった。
1失点目はサイドフェンスと田中のわずかな隙間を、するするとライムンド・メンデス(ノナート)が抜けていった。
2失点目は鉄壁の守備陣形ダイヤモンド型の距離感がわずかに空いてしまったところをチアゴ・シウバにつかれてしまった。
3失点目は、リカルド・アウベス(リカルジーニョ)がサイドに回り込んでファーサイドにシュートを打つと、佐藤は、分析のなかで予測はできていたのだが力が入り過ぎた。田中もゴールとの線上に立てなかった。
4失点目もシュートコースを空けてしまい、リカルジーニョに決められてしまった。
「想定通りと言えば想定通り」、こうなればやられる。逆に言えば、こうすれば防げる。局面局面でどうすべきだったのかは、監督から言わなくとも各選手がわかっている。実際この試合でも、キーパーとフィールドプレーヤーが連動してシュートを止め、攻撃の芽を摘んでいる。だが4度ミスをすると4失点してしまう。それが王者だった。
そのミスは、高田監督が言うように「構造的にどうにもならないことではなく」、無くせるもののはずだ。その証明ができる日は9月4日、決勝の場でしかない。
そのためにはまず、アジア王者の中国を倒して準決勝進出を決めなくてならない。
日本のブラインドサッカーの歴史のなかで、中国は常に壁になって、次のステージに進めさせてくれなかった。その歴史を変える瞬間が中国戦となる。
中国はフランス相手に1-0で勝利し、勝ち点3、得失点差はマイナス2。日本は引きわけでも準決勝進出を決めることができるが、監督、選手も勝って準決勝に進出したいという気持ちを隠さない。もちろん、状況によっては現実的な選択肢も出てくるだろう。
激しい試合になることは間違いない。キックオフは8月31日午前9時だ。
グループA 中国 vs フランス
グループAブラジル vs 日本
(校正 望月芳子)