東京パラリンピック第1日目、25日の夜、車いすラグビーの予選4試合が行われた。
初の金メダルを目指す日本(世界ランク3位)は、フランス(同6位)と対戦。第4ピリオド終盤の残り3分45分から逆転劇を演じ、53‐51で初戦を勝利で飾った。
立ち上がりの日本は固さが続いた。ティップオフを奪われ先制点を許すと、続くパスミスで連続失点。
守備に定評のあるフランスの徹底的なマークもあり、終始1点から2点のリードを許す展開が続いた。
しかし、残り3分28秒。相手のファウルで日本に渡ったボールから、副キャプテンの羽賀理之(2.0/AXE)がトライを決め、この試合ようやく逆転に成功。残り35秒でも、キャプテンの池透暢(3.0/Freedom)から投げられた高さのある難しいボールを、羽賀がトライライン際でのけぞってキャッチ。そのままトライに持ち込んで逆転勝利に導いた。
「いい形を作ってくれたので、決めるだけだった」と振り返る、持ち点2.0の羽賀は、豊富な運動量と献身的なプレーが持ち味。2018年世界選手権での金メダル獲得に貢献した「3-3-2-0」のラインが躍動した。
明日の戦いは、今日オーストラリア(世界ランク1位)を破ったデンマーク(同7位)。初戦で勢いをつけたチーム同士の対戦で、走り負けないように気持ちを見せるのみだ。
敗れたフランスのキャプテン、Hivernat Jonathan(持ち点3.0)は、今日の試合で両チーム最多の31トライを決めた。「日本は第3、第4ピリオドの追い返しがすごかった。フランスは追いつかれても戦術を変えることをしなかった」と悔しさをにじませた。明日はオーストラリアとの戦いが待ち受けており、「特にオフェンスにはフォーカスしていきたい。今日はどの国の試合も接戦が多かったので、明日はしっかり勝ち切りたい」と前を向いた。
フランスは、2024年パリパラリンピックのホスト国となり、強化が進んでいるチームだ。Hivernatは、「僕たちは世界の中でもいいチームだと自負しているし、3年後は自国開催でキャプテンとして金メダルを取ることが夢」と語る。先を見据えて進化を続けるフランスが、まずは東京パラリンピックで明日以降どんな戦いを見せるのか、注目だ。
(校正 望月芳子)