東京パラリンピックで金メダルを狙う車いすラグビー日本代表が、いよいよ8月25日20時に初戦を迎える。
日本のヘッドコーチを務めるのは、アメリカ人のケビン・オアー。
2004年アテネパラリンピックでアメリカ代表、2012年ロンドン・2016年リオパラリンピックでカナダ代表のヘッドコーチを歴任しており、リオでは3位決定戦で日本に敗戦。その後、2017年に日本代表のヘッドコーチに就任している。自身が率いるチームではまだ金メダルを獲得しておらず、本人にとっても悲願の金メダルの道のりがスタートする。
ケビンHC、日本選手たちがともに警戒しているフランス選手は、セバスチャン・ベルダン(持ち点3.0)。
先週30歳になったばかりのハイポインターで、車いすバスケットボールの経験もあることから、高さやスピードを持っており攻撃の要となる。
フランスは日本と同じようにハイローライン(ハイポインターとローポインターの組み合わせ)が軸となっており、どう対応するかがカギだ。
コロナ禍の影響で、日本にとっては2019年10月の「車いすラグビーワールドチャレンジ」(東京)以来となる、およそ2年ぶりの国際大会。試合感覚の鈍りが心配されるところだが、日本は独自の工夫をこらしてきた。得点源となる「ハイポインター」の層が厚いからだ。
車いすラグビーは、障害の重さによって0.5(1番障害が重い)から3.5(1番障害が軽い)まで7段階の持ち点が選手に与えられており、コート内の4人の点数が8点以内でプレーしなければいけない(交代は何度でも自由)。
日本はキャプテンの池透暢(Freedom)、エースの池崎大輔(TOKYO SUNS)、ベテランの島川慎一(BLITZ)に加え、この春高校を卒業したばかりの橋本勝也(TOHOKU STORMERS)と持ち点3.0のハイポインターが4人もそろっており、チーム内で紅白戦を行ってもレベルの高さを維持。さらに、紅白戦の片方のチームの持ち点の合計をあえて8.5以上に設定することで、強さのある海外勢に対応するシュミレーションができたのだ。
2024年パリパラリンピックに向けて強化の進んでいるフランスに勝利して弾みをつけられるのか。戦いの火ぶたが切られる。
(校正 望月芳子)