5月21日から行われている「ジャパンパラ水泳競技大会」。最終日23日の12時半からは、予選の午後の部が行われた。女子50m自由形S11(全盲)では石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)が31秒20で派遣基準を突破し、念願のパラリンピック初出場をつかみとった。
石浦、念願のパラリンピック初出場へ!
石浦智美は33歳。北京・ロンドン・リオと出場を目指すも、あと一歩のところでいつも届かなかった。特にリオでは、派遣標準記録まであと0.3秒のところで代表落ちし、悔しい思いを胸に今回「4度目の正直」を目指した。13年かけてようやく開いた、パラリンピックへの道。今日このあと決勝で、目標の30秒台に向けその思いを泳ぎに乗せて欲しい。
鈴木、東京パラは「楽しみにしていた」。過去形で話した理由は…
21日に5度目のパラリンピック出場を決めたベテラン、鈴木孝幸(GOLDWIN)は男子50メートル自由形S4(四肢欠損)に出場し、3日連続で派遣基準を突破するレースを見せた。
今日の予選について鈴木は、「予選なので今日の感覚で泳いでみようと思った。大会記録が出たので、いいレースだったと思う。決勝の方がよく体が動くので、さらにいいタイムを出したい」とコメント。
東京パラリンピックのエントリー種目に関しては、「最終的にどれにエントリーするかはまだ決めていない。基本的にメダルを狙える種目は出たいと思っているし、リレーも日程を考えて決めたい」と話した。
昨日の取材で「東京パラリンピックを楽しみに”していた”」と過去形で話したことについて今日の取材で記者に突っ込まれると、「東京招致に関わっていたころは、世の中がこんな風になるとは思っていなかったし、ウエルカムな雰囲気になると信じて頑張っていた。そういった思いが言葉の端に出たのだと思います」と答えた。
今日の決勝は15時45分から行われる。
(写真取材・秋冨哲生、校正・佐々木延江)