窪田幸太、100m背泳ぎで派遣標準記録突破!
男子100m背泳ぎS8(左上肢機能全廃)では、窪田幸太(日本体育大学)が1分9秒97で派遣標準記録を突破。東京パラリンピックの出場権を獲得した。
窪田は千葉市出身の21歳。生まれつき左腕に障害があり、右手一本で泳いでいる。2018年アジアパラ競技大会(ジャカルタ)の男子4×100mフリーリレーで金メダル、メドレーリレー(背泳ぎ担当)でで銀メダルを獲得した時のメンバー、50m自由形・100m背泳ぎの2種目で日本記録を保持している。
今年3月の第37回日本パラ水泳選手権大会では1分11秒04。1秒以上縮められた要因は、スタートやターン後のバサロがしっかりできるようになったことと、後半の持久力がついたこと。「東京パラリンピックに出るだけでは終われない。しっかり本番で結果を残したい」と意気込みは十分だ。
木村・富田は2種目目の派遣標準記録を突破
男子100mバタフライS11(視覚障害)には、すでに東京パラリンピック内定を決めている木村敬一(東京ガス)と富田宇宙(日体大大学院)のコンビが登場。木村が1分4秒27、富田が1分3秒68で2人とも2種目目の派遣標準記録突破となった。
クラス分けを待つ久保大樹、決勝で執念を燃やす
今日の第1レース、男子100mバタフライS9では久保大樹(KBSクボタ)が登場。1分3秒24で決勝進出を決めた。
2018アジアパラ競技大会4×100mフリーリレー金メダル、メドレーリレー(バタフライ担当)銀メダルの久保は、障害のクラスを判定する「クラス分け」が「R2020」となっており、本来2020年以内に再度クラス分けを受けなければならないがコロナ禍でその機会が巡ってこないままだ。
東京パラリンピックへの望みをつなぐには、派遣基準(1分2秒26)を突破した上で、クラス分けの機会を待つ。2019年世界選手権の派遣を逃して以来の久保の課題となっている。決勝でのタイムに、注目だ。
勢いに乗る山口、リベンジの東海林
2019年の世界選手権ですでに東京パラリンピック出場を決め、昨日の男子100メートル自由形S14(知的障害)で一騎打ちとなった山口尚秀(四国ガス)と東海林大(三菱商事)。昨日の決勝は山口が1着だったが、今朝の予選は東海林に軍配が上がり57秒77で派遣標準記録を突破した。
予選後の東海林は、「昨日の夜は悔しさで眠れなかった。今日は何も考えないでレースに集中できたと思う。決勝も今までやってきたことを思い出して最後までしっかり泳ぎきりたい」と語った。
(写真取材・秋冨哲生 校正・佐々木延江)