2月5日、テレビ局のWOWOWが主催する「第7回 WHO I AM フォーラム LIVE」が行われ、日本の木村敬一(水泳)、ブラジルのダニエル・ディアス(水泳)、オーストラリアのカーティス・マグラス(カヌー)の3人のパラリンピック・トップアスリートがオンラインで出演、松岡修造をメインキャスターにしたインタビューが、YouTubeで生配信された。
IPC(国際パラリンピック委員会)とテレビ局のWOWOWが2016年より共同制作するパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」は、東京オリンピック・パラリンピックまでの5年間で40作品(年間8人・合計40人)のトップアスリートを発信し完成する予定で、いよいよ最終シーズンの放送を控えている。
インタビューでは、WHO I AMに出演した3人のトップアスリートが、それぞれの国でのコロナ禍においての進捗状況。練習を続けるモチベーションの源や、いまだからこそ得られた学びなどについて詳しい心境を語った。また、3人が共通して東京パラリンピックを目指していることがあらためて語られた。
東京大会で引退を宣言しているブラジルのダニエル・ディアスは、次のように話していた。
「世界中の人にとって辛い時期。ただ、僕にとってはある程度前に決断していたこと。選手のみならず、人生にはサイクルがある。選手としての僕の人生は東京で終えたいと思っている。僕の人生はただの楽天的なものではないし、泣くばかりでもない。幸せの瞬間の大半が水泳によってもたらされた。笑顔でグッバイしたい。引退の時期を決めたのは、まず家族。6歳、5歳、1歳の子どもたちと父親としてもう少し一緒にいたい。パラスポーツに僕なりの貢献はできた。やり切ったという形で引退したい」
トップアスリートどうしが東京大会にむけ、お互いの気持ちや状況を伝え合うライブインタビューとなった。
インタビュー後にオンラインによる記者会見が行われ、「コロナ禍で開催を危ぶむ声があるが、アスリートとして現状をどう感じているか?」との記者の問いかけに、木村は
「(東京オリンピック・パラリンピックの)開催が危ぶまれていることは承知している。このまま感染拡大が収まらないのであれば、やるべきではないと思う。ただ、選手が開催を信じなければ、誰も信じる人がいないだろう。選手はもともとできるかどうかわからないことを信じて、人生をやってきた。やれることを信じることぐらいはしてもいいと思う」と。木村の声には素直な気持ちが込められていた。
WHO I AMプロジェクトサイト
https://corporate.wowow.co.jp/whoiam/
「第7回 WHO I AM フォーラム LIVE」(YouTubeサイト)