東京パラリンピック本番の会場となる馬事公苑(東京都世田谷区)で、第4回全日本パラ馬術大会(主催・日本障がい者馬術協会)が無観客で開幕した。1964年オリンピックでも馬術で使用された会場で歴史があり、2020年に向け大規模改修工事が行われていた。コロナウイルスの影響による大会延期で工事は一時ストップしていたが、先月ほぼ完成しメディアに公開された。パラ馬術の大会が行われるのは改修後初めてとなる。
パラ馬術のクラスは、肢体不自由、視覚障害など、障害の重度により5つのグレードに分かれている。オリパラ通じて唯一、動物と人間が一体となって行うスポーツで、演技の正確性、芸術性を競い合う。
大会初日、グレードⅢの注目の若手、稲葉将(静岡乗馬クラブ/シンプレクス)は、コロナ自粛後初となるパラ馬術の大会で、パートナーの2頭の馬とともにチームテストに2回エントリーした。試合の感覚をもどそうと挑んだ結果、カサノバで67.059%、ピエノで63.667%と上位2位を占め、緊張がありつつもパラリンピック本番の会場での好感触を得たようだ。
「久しぶりだったためか、緊張があり、頑張りすぎたところもあったが、2頭とも上位の点数もとれ、わるくない感触だった。本番の会場は、グリップが効いていてつまづくところもあったが気になる点はそこぐらいで、素晴らしい。馬も人も、場に慣れることが大事です。先入観を持たず、いいイメージをもったり、ここにさらに観客が入り、ともに少しずついい印象を持ちながらやっていきたい。練習どおりのパフォーマンスがだせ、ミスをしないことが点につながる」と稲葉は話していた。
11月27日より3日間、東京パラリンピックを目指す、選手13名が出場。1日目・チームテスト(規定競技)、2日目・インディビジュアルテスト(規定競技)、3日目・フリースタイル(曲に合わせての演技)が繰り広げられる。
<競技結果
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パラ馬術特設サイト/競技のページ
https://all-japan-para-equestrian2020.jimdofree.com/%E7%AB%B6%E6%8A%80%E3%81%AE%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8/
(校正・望月芳子 取材協力・田中綾子)