来年の東京パラリンピックのボッチャ競技実施日までちょうど1年となる8月28日、「ボッチャ感謝の集い2020」が一般社団法人日本ボッチャ協会によって開催された。新型コロナウイルスの影響で今回はリモートで開かれ、協賛企業や関係者へのあいさつのほか、今後の方針などの発表が行われた。
感謝の集いでは、8月28日にスタートした日本ボッチャ協会の新事業が発表された。その名も「みんなでボッチャ1万人プロジェクト」。
ボッチャファンを1万人に増やそうという取り組みで、プロジェクトの公式HPをオープン。学校訪問やイベントなどで引き続き普及の強化を目指すだけでなく、TwitterやInstagram、YouTubeの公式アカウントを作ることで発信源を集約させ、ファンが情報を得やすい環境を整えていく狙いだ。
目標を「1万人」とした理由は、東京パラリンピックの会場である有明体操競技場の客席数がおよそ1万人であることに由来する。会場を満員にし、ボッチャの魅力をたくさんの人に伝えたいという思いが込められているのだ。
また、日本ボッチャ協会公認キャラクターの「ボッチャマン」もオンライン上でお披露目された。今後は着ぐるみも完成し、競技普及に積極的に関わる予定で、大会前などは忙しくなる選手たちにとっても心強い味方となる。
感謝の集いに登場した、リオパラリンピック銀メダリストで東京に内定している廣瀬隆喜(BC2/西尾レントオール)も「とても可愛い。ボッチャ人気の普及につながると思うし、小さな子にも楽しんでもらいたい」とボッチャマンに笑顔をほころばせていた。
ボッチャは頚髄損傷や脳性麻痺など、パラスポーツの中でも重度障害の選手が多くいる競技である。新型コロナウイルスの蔓延で早めにリモート練習に切り替え、7月から4人だけでの合宿を再開(残りの選手はリモート参加)。床面の消毒や公共交通機関の制限など、対策も徹底して行われた。
日本代表の村上光輝監督は、「ビデオを通した戦術理解ができたり、クラスを超えたチームの一体感はリモートならではの収穫があった。ただ、リモート合宿は遠隔でのスケジュール調整や感染対策の徹底の中行われるので、通常の合宿より5倍くらい疲れる感覚がある。選手に負担にならないように工夫をしていきたい」と話した。
また廣瀬は「緊急事態宣言が出てからはほぼ自宅での練習だが、色んなシチュエーションを想定した投球をし、頭を働かせることもできている。まだ大会のめどは立っていないが、来年に向けて全クラスのメダル獲得に向けて力を合わせて頑張っていく」と意気込んだ。
リオに続く活躍が期待される、ボッチャ日本代表「火ノ玉ジャパン」。来月9月の合宿は引き続き少人数での開催を検討し、10月からようやく15名全員での合宿が再開予定だ。
<参考>
「みんなでボッチャ1万人プロジェクト」
・公式ウエブサイト https://minnade-boccia.com
・公式Twitter https://twitter.com/boccia_project
・公式Instagram https://www.instagram.com/oneproject.boccia
・公式YouTube https://www.youtube.com/channel/UCMTnB3W9ZFw7tBlxdrpBXAQ
(編集・校正 佐々木延江)