関連カテゴリ: パワーリフティング, 冬季競技, 取材者の視点, 東京パラムーブメント — 公開: 2020年2月3日 at 10:54 PM — 更新: 2021年5月31日 at 11:00 PM

パラ・パワーリフティング日本一決定戦が開催。応援サイリウムや判定ランプで観戦楽しむ工夫も

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パラリンピック競技のパラ・パワーリフティング日本一を決める全日本選手権が2日、東京・八王子の日本工学院八王子専門学校で行われ、パラリンピック出場をかけた国内外の選手ら48名が出場。東京パラリンピックまで約200日となる中、本番に向け2日間に渡り熱戦を繰り広げた。

会場の一体感生む工夫

写真:オレンジ色のサイリウムが表示されるアプリ
オレンジ色のサイリウムが表示されるアプリ

「挙げろー!」と歓声が響く中、白熱した試合が行われた日本選手権。昨年から日本工学院八王子専門学校とのコラボレーションで、学生らが映像や音響、照明などの演出で大会を盛り上げている。
今年は審判のジャッジをより分かりやすく可視化するため、紫(同じ姿勢を保てていないミス)や、青(胸でバーが止まっていないミス)など色別に失敗の理由がわかる「判定ランプ」を開発。オレンジ色の応援サイリウムが表示できるアプリも登場するなど、観客が楽しめる工夫で会場の一体感を生んだ。

東京パラ前最後の全日本

東京パラリンピック出場にあたっては、パラ・パワーリフティングに開催国枠はない。選手たちはそれぞれの階級ごとに設けられた「最低出場資格基準」の重さをクリアしている事が大前提となるほか、規定の国際大会に出場してランキング上位8位以内に入る必要がある。海外で行われる残り2回の大会を前に、今大会は日本で行われる貴重な力試しの機会となった。

初日に行われた男子49kg級では、リオパラリンピック日本代表の西崎哲男が2回目で130kgを成功させ優勝。記録更新のため行われる「特別試技」では、135.5kgの日本新記録をマークした。

写真:今大会で59kg級から65kg級に階級を上げた奥山。力が付いたと手応えを語った。
今大会で59kg級から65kg級に階級を上げた奥山。力が付いたと手応えを語った。

2日目は、男子65kgで佐野義貴が139kgを成功させ優勝。2位の奥山一輝は優勝を逃したものの、特別試技で141kgを成功させ、日本記録を更新。「11月にイギリスで行われた合宿では140kgを上げることができなかった。そこから体重を増やして、ブレないフォームに改善してきた。うまくいったと思う」と奥山は手応えを語った。

写真:試技前に集中力を高める宇城
試技前に集中力を高める宇城

男子80kg級では、アテネ、ロンドンと過去2回のパラリンピック出場経験があるベテラン宇城元が170kgを成功させ、貫禄の優勝。「完璧な試技ができて満足しています。今月の海外大会では186kgを目指したい」と意気込んだ。

チャンスはあと2回

パラリンピック出場を目指す選手のチャンスは残すところ2回。今月下旬にマンチェスターで行われるワールドカップ、4月に行われるドバイワールドカップで、パラリンピック最低出場資格基準の更新と、上位8位に食い込むことが目標だ。東京への切符を掴む戦いは、ここから正念場を迎える。

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