5年ほど住んでいる地元エドモントンにWTS(世界トライアスロンシリーズ)のグランドファイナルがやってきた。この大会は、トライアスロンとパラトライアスロンが同時に行なわれている。車いすユーザーとして、会場のバリアフリーを注意してみた。
ウィリアム・ホーラックパークへのアクセスは、アルバータ大学内に特設バス乗り場が設けられ、シャトルバスが随時運行されている。観戦者も競技者も、このバスで10分ほどで会場に行くシステムになっている。シャトルバスは、通常の市内の路線バスが使用されており、車椅子の観戦者、競技者にもやさしい。
ウィリアム・ホーラックパークは、東京ドーム14個分にあたる面積を有し、そのうち5ヘクタールは湖になっている。一面に青々とした芝生が広がり、普段からサイクリングをする人、ランニングをする人達に人気のある公園だ。しかしこのやわらかな芝生が車いすユーザーには辛い。芝生以外にも、砂利道など車いすを自走することが難しい。固い材質のカーペットなどでできた歩道があればと思った。あと、ちょっとしたことは、ボランティアさんにお願いできるとかなり違うと思う。
観戦スタンドへ向かう路ぞいに、大会スポンサーや、オリジナルグッズを販売するブースがあり、買い物も楽しむことができる。ここに、パラトライアスロン選手のための競技用車椅子やハンドサイクリングのブースがないところが残念だ。
観戦スタンド入り口にはスロープが設置されている。坂をのぼりきったところには車いす使用者の観戦スペースが用意されていた。このスペースだけで、スイムからバイクへ、バイクからランへのトランジッション、フィニッシュゲートへのランが観戦できる。車いすユーザーが自由に登り降りできるが、坂が少しだけ急なのでサポートがあると嬉しい。
パラエリートを観戦しに来たという、地元在住の2人組に会った。
「もともと私も陸上をしていたので、見るのが楽しみで来た。トライアスロンを見るのは初めてでワクワクしている」と話していた。
この日、観戦スタンドで出会った車いすユーザーはこの2人だけだったが、これから世界中のトライアスロン会場でバリアフリー化が進むと共に、障害者の観戦者が増えればと願っている。