関連カテゴリ: DUBAI 2019 WPA, 国際大会, 地域, 夏季競技, 東京パラムーブメント, 陸上 — 公開: 2019年11月8日 at 2:03 PM — 更新: 2019年11月9日 at 4:06 PM

オーストラリア20歳が世界新!目指すは東京で金。ドバイ2019パラ陸上世界選手権

知り・知らせるポイントを100文字で

投稿はこちら(メールソフトが開きます)

11月7日、男子1500m T12/13で、強豪ロシア勢や前回チャンピオンを制して優勝、自身の記録を塗り替えるワールドレコードを樹立した、ジャリド・クリフォード(CLIFFORD Jaryd/T12・AUS)。競技を終えた笑顔 写真・吉田直人

20歳がドバイで世界新記録を樹立した。7日に開幕した「世界パラ陸上競技選手権2019」で、男子1500m T12のジャリド・クリフォード(CLIFFORD Jaryd/T12・オーストラリア)が初優勝。レコード樹立と頂点に立った喜びを爆発させた。

クリフォードは、視覚障害のクラスであるT12の出場選手。障害のクラスがひとつ軽いT13の選手と合同で、計13名が1500mに参加した。リオパラリンピック優勝のアブドゥルラティフ・バカ(BAKA Abdellatif/T13・アルジェリア)や、2016年のドーピング違反により出場資格を剥奪されて以来3年ぶりの出場となった強豪ロシア勢がしのぎを削る中、クリフォードは激戦を制し、初優勝。今年4月に自身が打ち立てた世界記録3分47秒89を上回る3分47秒78でレースを終え、男子1500mに新たな歴史を刻んだ。

男子1500m T12/13で13人の先頭に位置どりをしたジャリド・クリフォード(CLIFFORD Jaryd/T12・AUS)。 写真・吉田直人

「信じられないです」。レースを終え、興奮した様子で記者の質問に答えるクリフォード。「優勝は期待していませんでしたが、それでも夢見ていました。今日のようなタフなフィールドで金メダルを獲得できたのは驚きです」と喜びを語った。

幼少期に網膜の中心・黄斑に障害が生じる黄斑変性によって徐々に視力を失い始め、12歳で盲目と診断されたクリフォード。長いレースで疲労がたまると、方向感覚が掴みづらく、視力が悪化しやすいという。それでも最終ラップで追い込みをかけ、最後まで集中を切らさなかった。「東京パラリンピックに向けて自信に繋がりました」とレースを振り返った。

男子1500m T12/13で先頭を争うジャリド・クリフォード(CLIFFORD Jaryd/T12・AUS)とロシアのクリアティン・アントン(KULIATIN Anton/T12・RUS) 写真・吉田直人

2015年にドーハで行われた世界選手権でデビューし、翌年のリオパラリンピックには17歳で初出場。パラリンピックでは7位入賞で終えだが、その後、頭角を現し、2017年の世界選手権ロンドン大会では、銅メダルを獲得。来年の東京パラリンピックでは、1500mと5000mに出場し、ダブル優勝を目指す。「2020年はダブルゴールドを獲得したい」と夢を語るクリフォード。メダル射程圏内の彼にとって、ドバイで手にした金メダルは大きな自信になりそうだ。

クリフォードは14日、男子5000mレースにも出場する。

(校正・佐々木延江、写真協力・吉田直人)

この記事にコメントする

記事の訂正はこちら(メールソフトが開きます)