車いすラグビーに新星登場だ。「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」が16日、東京体育館で開幕し、日本はブラジルと対戦。61ー42で日本が勝利し、初戦を白星でスタート。コートで存在感を発揮したのは、高校2年生だった。
「今大会では様々な可能性を試していきたい」。前日の記者会見でそう語っていたケビン・オアーヘッドコーチの言葉通り、ブラジル戦では全員出場で様々なライン(選手の組み合わせ)を試すなど、挑戦的な布陣で幕開けした。
17歳の新星・橋本が活躍
なかでも18得点の活躍を見せたのが、17歳の橋本勝也(3.0)。これまでなかなか出場機会に恵まれなかった次世代のエース候補は、持ち味のスピードを活かしてコートを縦横無尽に疾走。観客から「橋本コール」も飛び出すなど、得点源となる活躍を見せた。
試合後、橋本は「国内での国際大会出場は初めて。声援がすごく力になりました。うれしかったです」とコート上の感想を語った。普段は、地元・福島で週に2回練習に励むという橋本。「練習は、走り込みや車いす操作などを中心にしています。今日は試合の途中で諦めかけてしまうところ、判断の速さが課題だなと思いました。一人で練習することが多いので、普段から試合を意識して練習していきたい」と自身の課題も語り、実戦での経験を噛みしめた。エース池崎大輔(3.0)も「次のエースになる選手」と太鼓判を押す。「世界一のプレーヤーになりたい」と語る17歳の成長に注目だ。
注目株の中町はロングパスが強み
守備陣では、急成長の中町俊耶(2.0)が活躍を見せた。今年から海外遠征に召集されるなど注目の成長株で、ハイポインターのプレッシャーに負けず、パスを正確につなぎチームに貢献。安定感のあるプレーを見せた。試合後、中町は「ボールの扱いには自信がありました。今大会で代表メンバーに選ばれるという目標を持ってやってきたので、ここからさらに東京2020につながる大会にしたい」 と意気込んだ。
新戦力の活躍で選手層の厚みが増す日本。明日は、フランスとの戦いに挑む。
(校正・佐々木延江)