パラリンピック車いす陸上で世界的な活躍をみせてくれる樋口政幸(35歳・バリストライド)は、雪国育ち。雪に親しみ、シットスキーをする時も自然と笑顔になるようだ。楽しみの一環として、昨シーズンより2度目のジャパンパラ・クロスカントリースキー競技大会に挑戦。2月8日から富沢クロスカントリースキーコース(旭川市)で行なわれたレースでは、ソチパラリンピック日本代表・久保恒造(32歳・日立ソリューションズ)につぐ2位。陸上で培った走力は、雪上でもおおいに発揮されていた。
樋口と同じように車いす陸上を始めた久保は、2007年に久保と荒井秀樹クロスカントリースキー日本代表監督と出会ってから、スキー競技中心となった。二人はもとより夏の種目ではライバルどうしである。近年、久保が陸上での力をメキメキとつけてきていることも、樋口の刺激になっているのかもしれない。あくまでもトラックレーサーとして頂点をめざす樋口が、雪上を駆け抜けるその表情はとても楽しそうだった。