関連カテゴリ: IPC_WORLD, LONDON 2019 WPS, イギリス, 国際大会, 地域, 夏季競技, 東京パラムーブメント, 水泳 — 公開: 2019年9月10日 at 8:18 AM — 更新: 2021年5月28日 at 10:40 PM

ロンドンパラリンピックの記憶を呼び覚ますベニューでLondon2019パラ水泳世界選手権が開幕。1日目・日本は惜しくもメダルを逃す!

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最高のパラリンピックを演出したと言われるロンドンパラリンピック(2012年)。そのレガシーの中心地ロンドン・アクアティクスセンターでIPC(国際パラリンピック委員会)主催のパラ水泳世界選手権が開幕した。今大会はもともとクチン(マレーシア)で開催される予定だったが、開催国の政治的事情により中止となったのち、代替え地として決まった。急ごしらえの地ながらも特別な場所であり80カ国から650名の障害のあるスイマーが参加しているほか、世界中から多くのメディアがロンドンパラリンピックの記憶を求めて注目している。

予選と決勝の間に行われたオープニングセレモニーで旗手を務めた山口尚秀(ジーアップ) 写真・安藤理智
2019 London World Para Swimming Opening Ceremony
開会式に集まった親子連れ。開幕戦のチケットは完売だった。 写真・安藤理智

1日目の今日(9月9日)は、4つの世界記録が更新されパラリンピック1年前の世界の成長を予感する1日となった。
メダルの順位は、ロシアが4つの金メダルを含む11個、開催国イギリスが金メダル3個を含む11個のメダルを獲得し、80カ国の頂点に立つスタートとなった。ロシアは今大会からドーピング違反の制裁が解けパラリンピックを初めとするIPC主催大会へ選手が参加できるようになった。

大会1日目・日本は惜しくもメダルを逃す!

KIMURA Keiichi (JPN) Men's 50m Freestyle S11 Final
50m自由形S11を泳ぎ終えた木村敬一(東京ガス) 写真・安藤理智

日本代表は予選に9名が出場し、決勝に4名がのこり、それぞれが予選、決勝とタイムを縮めたものの期待されたメダル獲得には至らなかった。
男子50m自由形S11で木村敬一(東京ガス)は予選を26秒77/4位で通過、決勝は26秒57とタイムを上げたが、自己ベストの26秒47には届かず、4位。メダルを逃した。

50m自由形の決勝レース後に木村は、「記録的に満足のいくレースではなかった。ベスト26秒47が出ていれば勝てたレースだった。上3人はリオにはいなかった選手で、世界が上がってきたのを感じる。ウォーミングアップの状況もよく、ベストを狙えると思っていた」また、タッパーがベテランの寺西真人氏ではないことについて記者が質問すると「積み上げてきたものが違うが、どういう状況でもできるよう準備してきた。言い訳にはしたくない」と話していた。
これからのレースについては、メインの100mバタフライ、平泳ぎは金を取れる種目と自信を語っていた。

また、女子50m自由形S11をメインとする石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)は予選32秒10/3位で通過し決勝でも31秒69とタイムを上げることができたが4位と悔しい結果に終わった。

ISHIMURA Tomomi (JPN) Women's 50m Freestyle S11 Final
女子50m決勝にのぞんだ石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)とタッパーを務めた峰村史世日本代表監督 写真・安藤理智

「予選から決勝にかけてタイムが挙げられたのはよかったが、メダルに組み込めなかったのは、タッチ、コースロープへの引っ掛かりなどで焦りがでたこと。前半でも焦りがあったが、50メートルはあっと言う間に終わるので少しの呼吸の乱れが影響する。呼吸を減らすことなどによりタイムを縮めることができる」と記者の質問に答えレース後の振り返りをした。「良いタイムが出たが、残念だった」と峰村史世日本代表監督も話していた。

女子50m自由形S5に出場した成田真由美(横浜サクラスイミング)は予選8位、決勝でも順位は上がらなかったがタイムを縮める泳ぎを見せた。ベテランである成田だが、世界選手権の出場は初めてだった。

Narita Mayumi (JPN) Women's 50m Freestyle S5
初の世界選手権で女子50m自由形にいどむ成田真由美(横浜サクラ) 写真・安藤理智

「気持ちよく泳げたが、力及ばず、(予選16人という)人数も多く、世界のタイムが上がっているのを感じました。自分のメインは50m背泳ぎですので、明日の200m自由形の後は、3日開試合がなく仲間の応援にも回りたい。自分が泳ぐことで後輩の手本になれば嬉しい」と成田は話していた。



女子400m自由形S13に出場した辻内彩野は決勝で自己ベストをだすことができた。パラ水泳の選手となり初めての世界選手権を楽しむよう心がけた。
「予選泳いだ後、振り返って、テンポを一定にするなど気持ちの面をケアしながら泳ぎました。300に入るところで、これから一番きつい300mですよ、とが、自分に言い聞かせて泳ぎました。この種目はあまり得意ではありませんが楽しめたと思います。この種目を泳ぐ機会があると、ウォーミングアップになると思います」と話していた。

辻内が参加したこのレースでともに泳いだアメリカの Meyers Rebecca選手が世界記録を更新した。

TSUJIUCHI Ayano (JPN) Women's 400m Freestyle S13
女子400m自由形S13決勝を泳ぐ辻内彩野 写真・安藤理智

知的障害の2東海林大(三菱商事)と、中島啓智(あいおいニッセイ同和損保)は予選落ちだったが、出場した男子200m自由形S14は世界記録を出している。

明日9月10日・大会2日目は、鈴木孝幸の男子100m自由形(S4)での金メダルが期待されるほか、200m自由形S5に成田、女子100m背泳ぎS11に石浦、男子100m背泳ぎS14に山口尚秀が出場する。7日間の戦いはいま始まったばかりである。

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