9月6日、奇しくも一年後は東京パラリンピックでパラバドミントン決勝戦が行われるタイミングで、本番会場となる国立代々木競技場第一体育館で行われるヒューリック ダイハツ JAPAN パラバドミントン国際大会 2019(11月13~17日、日本 東京)開催にあたっての記者会見が日本財団ビルで開かれた。バーゼルで行われた世界選手権で金メダル1、銀メダル1、銅メダル9を獲得した勢いそのままに国際大会でも活躍を期待される選手たちが抱負や意気込みを語るとともに、金正子ヘッドコーチや山崎将幸専任コーチングディレクターが強化策を説明した。
里見紗李奈 車椅子クラス WH1
国際大会はレベルの高い試合になるが2連覇したいと考えている。メダルを一つでも多くとって、東京パラリンピックを楽しみにしてくれる人を増やそうと思う。車椅子の前後の動きや、ダブルスのローテーションの動きなどを見てもらえたらいいと思う。
世界選手権前は経験が少ないことからネガティブな気持ちになることもあったが、世界選手権だからといって緊張することもなく、さらに中国やスイスの選手に勝ったことで徐々に自信がついていき、決勝では落ち着いて試合できたことが金メダルにつなげることができた。東京パラリンピックに出場しての目標はと聞かれたら、シングルスもダブルスも金メダルといっていたものの、タイの選手に勝てる日がくるのかと思っていたが、タイ選手に勝てたことがしっかり自信を持って目指していけると感じている。本番会場で実施される国際大会では、風があるかないか、車椅子が動かしやすいかなどを確認していきたい。
鈴木亜弥子 立位上肢障がいクラス SU5
国際大会の目標はシングルスは優勝して3連覇することとダブルスは3位を狙うこと。これはお世話になっている人を私の結果で笑顔にすること、そして、日本で作られるメダルを、私が持って帰りたいから。本番会場で実施されるので、選手として観客としてコートやコートだけでなく会場全体など広い目線で会場をみてから試合をやりたい。世界選手権の決勝で敗れたシングルスの中国ヤン選手との距離は手の届くところにあると考えている。ドバイ国際大会の時よりはラリーを続けることができたので、歩数を少なくフットワークをよくしていくと同時に、良いフットワークを試合の間中、保つことができるようになっていきたい。
伊藤則子 立位下肢障がいクラス SL3
世界選手権の女子ダブルス3位、ミックスダブルス8位の結果は目標通りにいったというのでホッとしている。鈴木選手と組んでいるダブルスは、自分が前にいて、鈴木選手がそれ以外のスペースをカバーするスタイル。自分たちのスタイルを試合で出せるようにしていきたい。居住地が離れているので一緒に練習ができないところは健常者にシミュレーションしてもらうことで磨きをかけている。今は自分がムダに取りに行ってしまうとところがあるので、任せられるところは任せられるように鈴木選手の動きを想像できるようになっていきたい。女子ダブルスは中国とインドネシアが2強である。国際大会の目標は3位にしているが、インドネシアに勝利することも目指していく。
金正子ヘッドコーチ / 専任コーチングディレクター 山崎将幸
国際大会は東京パラリンピックが90名と限定されているのと比べると200人強と出場人数が多いので、厳しい戦いになると思うので体力的なものを強化していきたい。パラバドミントンのレベルが上がってきていることを実感しているのでメンタルやバドミントン技術の向上を重要視していく。WHクラスのダブルスで取り入れている”ローテーション”は、2018年から取り組み試合でスムーズにできるようになってきていて、状態の悪い選手を狙う作戦が取れず他の選手が面食らっている。世界選手権でうまくいったとは言っても国際大会では相手も作戦を練ってくるので、それに対応できるようにしていきたいと思う。
ヒューリック ダイハツ JAPAN パラバドミントン国際大会2019 大会概要
大会日時:2019 年11 月13 日(水)〜11 月17 日(日)
11 月11 日(月) 開会式
11 月13 日〜15 日 予選リーグ
11 月16 日〜17 日 決勝トーナメント
場 所:国立代々木競技場第一体育館
(編集・校正 望月芳子)