
7月19日(金)長良川競技場(岐阜県)で、日本最高峰のパラ陸上大会となる2019ジャパンパラ陸上競技大会が開幕した。昨年にひきつづき、走り幅跳びで健常者と世界記録を競い合うドイツのマルクス・レーム、同じく走り幅跳びと100mで女子世界ランク1位のマルティナ・カイローニ(イタリア)をはじめ海外トップ選手を含む403名(男子292名、女子111名)が出場している。岐阜県での開催は初めて。
2020東京パラリンピックまで1年と迫り、11月には前哨戦となる世界選手権(ドバイ)前の国内最後の挑戦の場、パラをめざすトップアスリートの正念場となる。
また観客にとっては1年前に前橋(群馬県)で開催された同大会で、レームが世界記録を樹立、今年も世界記録の跳躍をみる大きな機会が設定され、2日目の走り幅跳びに大きな注目が集まっている。
20日(土)、気温27度・湿度80パーセントと蒸し暑い曇り空の下で行われた競技初日は、視覚障害の走り幅跳びで高田千明(T11・ほけんの窓口)が4m60の日本新記録を更新、世界選手権の派遣標準記録を突破した。

また、知的障害の久保田寛太(かつみ会)が同じ走り幅跳び(T20)で6m75で日本記録を更新した。
スノーボード金メダリスト成田緑夢
男子走り高跳び(下肢障害・T44)では、平昌パラリンピック金メダリストの成田緑夢(個人)が1m86を跳び自身の日本記録を更新した。

T64の2メートルジャンパー鈴木徹(SMBC日興証券)は1m95で終了した。
トラック種目の見どころ
トラックでは、400m、800m、1500m、5000mの4種目で世界記録保持者として最も期待される佐藤友祈(T52/車いす・WORLD-AC)は、400m、1500mに出場。世界記録更新はなかった。
車いすT54では、400m、800mで鈴木朋樹が世界と戦えるレベルを持つようになった。ともに走ることで鈴木の成長を育んだ樋口政幸は自らの目標を1500m、5000mに定めつつ戦い方を構築しはじめた。

また、鈴木朋樹と同じ2009年アジアユースパラゲームズで発掘された生馬知季(WORLD-AC)が短距離を中心に着実な練習の成果を見せている。400mでは鈴木の日本記録に届かなかったが1位。100mの予選14秒55でリオパラリンピックで引退した永尾嘉章の大会記録を更新、決勝で14秒36で永尾の日本記録(14秒07)に迫った。

2日目の200mは自身のもつ日本記録の伸びが期待される。
下腿義足・井谷俊介

立位では、100m(下腿義足・T64)で競技歴2年、昨年アジアユース(ジャカルタ)で初の日本代表で金メダリストとなった井谷俊介(SMBC日興証券)が11秒66で日本記録を更新した。エース・佐藤圭太(トヨタ自動車)の記録を塗り替えつつ成長する。
<参考>
日本パラ陸上競技連盟サイト/リザルト
https://jaafd.org/results
ジャパンパラ陸上競技大会公式サイト
https://www.jsad.or.jp/japanpara/news/190721_001936.html
(編集:佐々木延江)