今年度4回目となる「東京都パラリンピック選手発掘プログラム」が、日本財団パラアリーナで2月3日に開催された。 当プログロムからインドネシア2018アジアパラ競技大会へ6名が出場、JPCの強化指定選手に10名以上が選ばれた実績がある。
今回は一定以上の競技経験を持つ肢体不自由者・視覚障害者を対象とし、書類選考などを通過した38名が参加した。 準備体操の後、午前中は共通測定で30m走・20mシャトルラン・垂直跳び・握力・Tターンを実施した。
午後からはフォローアッププログラムとして、理学療法士の杉山真理先生が「パラリンピックにおけるクラス分け」について、クラス分けの基準やクラス確定までのスケジュールなどを講演した。 また陸上の山本篤が「東京2020に向けて」パラリンピック出場までの道筋や目標設定などについて自身の経験を語り、「目標を持って、体力を向上させ、より豊かな生活をしてほしい」と参加者を激励した。
その後、各参加者は14競技の中から希望する3競技を体験した。 最年少参加者だった小学5年生の齋藤暖太くんは、右脚膝下の大腿切断のため義足で卓球などを体験。「走ることが大好き。昨年渋谷で行われたストリートレース『渋谷シティゲーム』で一緒に出場した外国人選手に憧れている」と目を輝かせて挑んだ。
四肢不全麻痺の障害がありトライアスロンをしている阿部尊治は、ウィルチェアラグビー・射撃・ボートを体験。「この場でいろんな競技を体験できる良い機会だった。今後はボートをやっていく」と新たな目標を語った。 車いすカーリングで東京アスリート認定選手でもある櫻井雄太は車いすフェンシングやカヌー・トライアスロンを体験し、「見るのとやってみるのとは全く違う。新しいパラ競技と出会えた」という。 ほかの参加者たちも、「自分の能力に合った競技がわかって有意義だった」(視覚障害の高校生)、「知らなかった競技を知り、選択肢が広がった」(野球をやっていた片麻痺の障害がある男性)と、それぞれが満足した様子だった。
フェンシングのブースには、イギリスとドイツの車いすフェンシング協会関係者が視察に訪れていた。 トライアスロンブースには9名の参加者があった。トライアスロンは前回のリオ大会から正式種目に加わった新しい競技。「トライアスロンという競技に興味を持ってもらい、東京2020大会より先を見据えて、まずは認知・普及から」と日本トライアスロン連合パラトライアスロン担当者は期待する。
なおこの模様は、2月13日放送のフジテレビ「PARA⭐DO!」で紹介される予定だ。
(編集・校正 望月芳子)