WOWOWが主催する第4回「WHO I AM」フォーラムが10月16日(火)、車いすバスケット界のマイケル・ジョーダンと称されるカナダのパラリンピック金メダリスト、パトリック・アンダーソンを招き、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)で開催された。番組シーズン3の放送を前に開いたフォーラムの会場は立ち見になるほど満席だった。
WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)が共同で立ち上げ、リオ大会が開催された 2016年から、東京大会が開催される2020年まで5年にわたり世界のトップパラアスリートに迫るドキュメンタリーシリーズ 「WHO I AM」。勝負の世界だけでなく、人生においても自信に満ちあふれるメダリストたちの「これが自分だ!=This is WHO I AM」という輝きを描いている。25日から毎週木曜日の夜10時にシーズン3の放送がスタートする。
オープニングの挨拶で、田中 晃代表取締役社長が「パラリンピック東京大会の成功と日本社会の成長に貢献する目的で、企業・団体・メディア・自治体・町内会等でWHO I AMを活用いただきたい」と語ると、続いて来賓挨拶に立った長野パラリンピック金メダリストでIPC教育委員メンバーであるマセソン美季さんが「2020年後も盛り上げるべく、子どもたちからファンを増やすため、教育教材として一緒に何かできないだろうか」と連携強化にラブコールを送った。
第1部は、パトリック・アンダーソンの生活を追った25日放送の番組の特別試写会。パトリック・アンダーソンを迎えての第2部は、プロテニスプレーヤーの松岡修造さんを司会に、車いすテニスで金メダリストの国枝慎吾、ジャカルタでのアジアパラ競技大会から戻ったばかりの車いすバスケ日本代表キャプテン豊島英も加わり、トークセッションが行われた。
国枝はアンダーソンの車いす操作を「空を飛んでいるように見える。とても真似できない」と賞賛した。
プロのミュージシャンでもあるアンダーソンは、妻と組んで音楽活動していることについて松岡さんから繰り返し問われると、「妻や子どもの存在が、自分が何者かを(who I am)思い出させてくれる」と、家族との時間を大切にしていることを強調した。
2020年に向けて、豊島は「花形と言われる車いすバスケで、東京大会で金メダルを獲ることが目標。日本に車いすバスケを浸透させたい」と意気込みを語った。
またスペシャルゲストとして、番組のナビゲーターでナレーターを担当する俳優の西島秀俊さんと、番組の音楽担当する平昌オリンピック開・閉会式音楽監督、梁邦彦さんが登場した。
梁さんのピアノと、アンダーソンのギター演奏の共演が披露され、アンダーソンのオリジナル曲などを披露した。最後に「Take Me Home ,Country Roads」を演奏すると、会場から手拍子がおこり、出演者と会場が一つになった。
両親と車いすで来場し、一番前の席になった賀川統馬くん(8歳)は車いすバスケットをやっていて、アンダーソンからポストカードとCDをプレゼントされた。「今日は全部楽しかった。これからも、いろいろなスポーツにチャレンジしたい」と話してくれた。
(写真:そうとめよしえ、校正:鈴木賀津彦・金子修平)