水泳会場が、割れんばかりの歓声に包まれた。
8日に行われた知的障害クラス・女子100m平泳ぎ(SB14)決勝。
接戦を制したのは地元・インドネシアのIndriani Syuci、2位は日本の出口舞(宮前ドルフィン)。実に0.02秒差の接戦だった。
水泳インドネシア代表・金第1号!
スタンドだけでなく、地元マスコミも白熱。ミックスゾーンでの質問もやまず、たくさんカメラの前でポーズも求められていた。
「とにかく速く泳ぐことだけを考えて夢中でいたので、他のレーンは目に入らなかった。優勝したかどうか一瞬分からなかったけど、電光掲示板を見て、喜びが爆発した。自分が金を獲れるなんて夢みたい」。
照れくさそうにはにかむ17歳の少女が、インドネシアのパラムーブメントを加速させそうだ。
「頭が真っ白に・・・」
銀メダルの出口も、自分のレースだけに集中していた。接戦に敗れはしたものの、堂々の銀。
「銅メダルを狙っていたので、想定以上の結果に頭が真っ白になった」と喜びを口にした。
初めてのアジアパラ大会にプレッシャーを感じながらも、積み重ねた練習を自信につなげた。
21歳の出口が、夢の入口へ。2020年への飛躍に期待だ。
(校正・金子修平)