1月25日・長野県白馬村(八方尾根)の長野五輪のコースで、ジャパンパラアルペンスキー競技大会の初日の競技と開会式が行なわれ、ソチ・パラリンピックを直前に控え、今日までに選ばれた日本代表11名が参加した。韓国からも3名の選手が出場していた。
初日は1日目の大回転(GS)。天候は、晴れ時々曇りで、気温は1〜8度と高く、雪の状態はぎっしりと固められつつも水分を多く含んでいた。スキー板にからみつく雪と難しいポールセッティングは、回転種目に強い日本人選手の試す意図だったのだろうとみる選手もいた。自然条件との対峙はアルペン競技の要素だったが、昨年末から休みなく続いたワールドカップ転戦の終盤であり、帰国直後の寝不足、帰国の安心感などで気が緩んでいたかもしれない。また、日本代表選手たちにとってホームゲレンデとはいえ、今シーズン慣れ親しんだアメリカの雪ともかなり違っていたようだ。
そんな中で、今シーズンで初めて日本代表いりした村岡桃佳(16歳・深谷高校2年)が、先輩の大日方邦子を上回る合計タイム02:05.56で1位となり、成長ぶりを披露した。
村岡は、4歳で横断性脊髄炎にかかり、車イスでの生活になった。車いすスポーツのクラブチーム・バラエティクラブジャパンで、元日本代表車いす陸上選手の千葉祗暉氏により、車いす陸上やテニス、バスケットなどを通じてスポーツ選手の心構えを学んで来た。3シーズン前からスキーを始め、世界トップを誇るチェアスキーヤーを先輩に持つ素晴らしい環境を得て、この数年で大きく成長し、夢だったパラリンピック出場を手に入れた。今シーズンは初の海外遠征で、ワールドカップで初のメダルを獲得した。
「ソチでは、全てのことが初めてで、楽しみであり、怖いです。」と話す。競技は違えど、千葉さんに教えてもらったことは、『練習するように試合に出ろ、試合に出るように練習しろ』ということで、本番で力を出すためのリラックスを得るには、練習で学んだ一つ一つを思い出し、何をしなければならないか考えることだと言う。
4日間にわたる、白馬でのレースが始まった。
女子座位の表彰。左から大日方邦子、村岡桃佳
女子座位の表彰。左から大日方邦子、村岡桃佳
1日目・大回転(GS)結果
(2本の合計タイムと差)
男子
<立位>
1位 三澤拓 JPN LW2 01:48.18
2位 阿部敏弘 JPN LW6/8-1 01:48.99 +00:00.81
3位 伊藤史雄 JPN LW6/8-1 01:58.70 +00:10.52
<座位>
1位 狩野亮 JPN LW11 01:51.26
2位 谷口彰 JPN LW11 01:52.17 +00:00.91
3位 LEE Chi Won KOR 02:00.44 +00:09.18
<ID>
1位 五味逸太郎 JPN ID 02:20.14
3位 加藤槇也 JPN ID 02:21.92 +00:01.78
3位 阿部憲太郎JPN ID 02:31.00 +00:10.86
<D>
1位 中村晃大 JPN D 01:50.56
2位 北城大地 JPN D 01:51.16 +00:00.60
3位 豊島昴太 JPN D 02:14.87 +00:24.31
女子
<立位>
1位 高桑美季 JPN LW9-2 02:17.66
<座位>
1位 村岡桃佳 JPN LW11 02:05.56
2位 大日方邦子 JPN LW11 02:07.78 +00:02.22
<ID>
1位 松本馨代 JPN ID 02:29.94
2位 深江舞 JPN ID 02:45.68 +00:15.74
3位 梅沢知世 JPN ID 03:43.15 +01:13.21
<D>
1位 小林育実 JPN D 02:05.14
女子リザルト/男子リザルト
(佐々木延江)