8月19日、静岡県磐田市のアミューズ豊田で「第14回 磐田市長杯争奪車いすツインバスケットボール大会」(以下「磐田市長杯」)が開催された。全国から選ばれた強豪8チームが競う大会で、神奈川JUNKS(神奈川県)がHorsetail(東京都)を54対44で制し、前大会に引き続き優勝を収めた。
車いすツインバスケットボールは、頸髄損傷者をはじめとする四肢麻痺の重度障害者を対象とした日本発祥のスポーツだ。車いすバスケットやウィルチェアーラグビーには参加できない重度障害でもプレイできるよう、既存のゴールに加えてもう1対の高さの低いゴールがフリースローサークル内に置かれている。障害の程度によって、シュートの仕方が異なるのだ。
神奈川JUNKSは、ここ数年、選手権大会において成績が芳しくなかったが、6月に行われた「第31回 日本車いすツインバスケットボール選手権大会」では大会5連覇のHorsetailを54-48で押さえ込み、キャロッツ(兵庫県)との決勝戦では76-53と圧勝、王座に返り咲いている。今回の「磐田市長杯」においても、決勝戦でHorsetailとの対戦となったが、見事首位の座を勝ち取った。
決勝戦では常にHorsetailの得点を上回っていたものの、第3ピリオド前半では神奈川JUNKSのパスミスが目立ち始め、Horsetailも徐々に追い上げてきた。神奈川JUNKSとしては良い流れを作って得点を稼ぎ出したい状況で、橘内祐太郎(15番)・深澤康弘(12番)・岸本雅樹(17番)・佐々木操(14番)が高確率でシュートを決め、点差を広げた。Horsetailはパスワークがよかった反面、シュートミスが目立った。
優勝後のインタビューで、「勝因は、最後までやりきったこと」と、キャプテンの橘内。今後の目標は、「チーム全員が出られるようにしたいですね。誰でも出て、そのまま強さを出していければと思います」と抱負を語った。シュートを打てれば誰でもスターになれるツインバスケの良さを引き出そうとする橘内の言葉に、チームやツインバスケへの想いを感じた。
これから、車いすツインバスケットボールの首位争いがますます白熱していきそうだ。
(編集:金子修平、望月芳子)
<参考URL>
日本車いすツインバスケットボール連盟
http://jwtbf.com
神奈川ジャンクス
http://www002.upp.so-net.ne.jp/garakutatati/
車椅子ツインバスケットボール
http://www.rehab.go.jp/beppu/book/pdf/livinghome_no27.pdf