5月17日(土)、WTS世界トライアスロンシリーズ横浜・パラトライアスロンのレースが山下公園を舞台に行なわれた。競技開始は6時55分で、水中からウェーブにわかれてスタートした。
パラトライアスロンは、スイム750m・バイク20km・ラン5kmを順番に行い、トランジッションを含めた合計タイムを競うレース。年々進化するこの横浜大会に、今年は国内外から60人の選手が参加し、競技としての位置づけもパラリンピックに近いものになってきた。
パラリンピックでは、どの競技も障害の程度や運動能力により「クラス分け=クラシフィケーション」を行なっている。クラスを得た選手が競技に参加できる。
クラスは大きくは、座位、立位、視覚障害に分別されるが、立位はその中でさらに、下肢障害、上肢障害、麻痺などの程度により3つのクラスに分けられる。パラトライアスロンのクラスとしてPT1(座位)、PT2〜4(立位)、PT5(視覚障害)の5つとなっている。PT1=座位はバイクをハンドサイクルで、ランを車椅子マラソン用のレーサーで行なう。PT6=視覚障害は3種目をガイドとともに走り、バイクはタンデム車を使用する。
今回初めてパラリンピックへの正式なクラシフィケーションが行なわれるということで、世界中から注目されたが、この結果、日本の選手2名がクラス分けの段階で失格となり出場できなかった。クラスの分け方やポリシーは、パラリンピック競技でも競技により異なる。パラトライアスロンはまだ始まったばかりの競技であり、参照実績も少ないため、リオパラリンピックに向け、この問題がどうなるかが注目される。また、JTU専務理事・大塚眞一郎氏によると、今回失格となったのは、日本人2名だけだったとのことである。
16日(金)に行なわれ、失格となった長尾淳(30歳・香川県)は、片腕の障害で、健常者ではないもののパラトライアスロンのクラスには適合しないとなり、失格となった。毎日相当量のトレーニングをこなし、トライアスロンだけでなく、ウルトラマラソンなどにも出場して鍛え上げてきた。欧米のトライアスロン先進国の選手を抜いて勝てる選手だと注目されていただけに、挑戦すらできないのは大変残念なことだった。
まさに今、リオパラリンンピックにむけて横浜から始まったパラトライアスロン。これからリオ、東京でのパラリンピックに向けて、国内のみならず、世界でも最も注目される新たなパラリンピック・スポーツが横浜山下公園で確かに行なわれたことを、ホストシティ・メディア・プロジェクトの撮影班リーダー・橋本康二カメラマンがとらえた速報映像配信。
映像:橋本康二