車いす同士の激しいぶつかり合いが特徴のパラリンピック競技「ウィルチェアーラグビー」の国際大会、2018ジャパンパラ ウィルチェアーラグビー競技大会が、5月24日(木)、千葉ポートアリーナ(千葉市)で開幕した。日本障がい者スポーツ協会の主催。
開会式には、地元の千葉市、そしてパラスポーツの推進に力を入れている渋谷区の小・中学生1700人が応援に駆け付けた。選手入場、選手1人1人の名前がコールされると、会場に大きな歓声が鳴り響いた。
熊谷俊人千葉市市長は、
「千葉市には競技用車いすを製造する企業があり、車いすスポーツに縁が深い街です。2020年の東京パラリンピックが決まる前から、車いすスポーツの聖地を目指してきました。きょうから4日間、感動と興奮をもたらしてくれるので、スタンドの皆さんも選手たちに熱い声援をお願いします」とあいさつした。
選手宣誓は日本の羽賀理之(持ち点2.0、AXE)が務めた。
「宣誓 我々選手一同は、我々の持つ最大のパフォーマンスを発揮しここに最高のラグビーをお見せすることを誓います。
We are wheelchair rugby players, We are here to make the greatest wheelchair rugby show.」
実は、羽賀による選手宣誓は3年連続だったとのこと。宣誓文を言い終わると、ホッとした表情で若山英史(1.0、横浜義塾)とハイタッチしていた。
同大会は、2014年以降、2020年東京パラリンピックに向けて海外チームを招いて開催されている。
今年ホスト国・日本は、世界ランク4位。リオパラリンピック銅メダルから1つランクを落としつつ、世界5位のイギリス、6位のスウェーデン、7位のフランスと、欧州トップ3を迎える。最終日・27日(日)まで4日間で、3日間の予選リーグのあと、最終日27日に決勝戦と3位決定戦が予定され、4カ国による14試合が行われる。
一般観戦客もタックル体験しよう!
今大会も試合の合間に、一般客が参加できるウィルチェアーラグビーの体験会が毎日行われる。初日の今日は、地元・千葉のウィルチェアーラグビーチーム「RIZE CHIBA」やフランス代表の選手たちから次々とタックルを受け、時折「キャー」と叫び声がこだました。
都内の専門学校に通う長谷川美優さん(19歳)に感想を聞くと、
「ベルトで固定されて動かないまま突進されたので、とても迫力があり、ぶつかった瞬間は体に衝撃が走りました。初めてパラスポーツを観戦したのですが、こんなに激しくぶつかり合うスポーツとは知らなかったです」と、興奮気味に話していた。
そのほか、会場には、ウィルチェアーラグビーの車いすに乗って記念写真を撮る、ボッチャの体験もできるスペースが設けられており、ウィルチェアラグビーだけでなく、パラスポーツを「観る」「触れる」機会への工夫がなされていた。
【1日目の試合結果】
・第1試合 日本57 - 29スウェーデン
・第2試合 イギリス54 - 34フランス
・第3試合 フランス45 - 47日本
・第4試合 ウェーデン23 - 65イギリス
初日の来場者数:2543人
(編集・佐々木延江)
この取材はニコンイメージングジャパンによる撮影機材協力により行われています。
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