ITU主催の「世界トライアスロンシリーズ」「世界パラトライアスロンシリーズ」両横浜大会を前に、5月10日(木)、記者会見が行われた。参加した選手たちが意気込みを口にした。
記者会見には、国内女子・谷真海(PTS4・サントリー)、男子・佐藤圭一(PTS5・エイベックス)。海外からはアメリカの女子・グレイス・ノーマン(PTS5)、フランスの男子・アレクシ・アンカンコン(PTS4)の合わせて4人が出席した。
日本の谷は、東京2020オリンピック・パラリンピックの招致でプレゼンターを務めたことでも知られている。2016年にパラ陸上(走幅跳)からトライアスロンに転向し、2シーズン目を迎える。
去年の横浜大会で、ライバルのサリー・ピルビーム(PTS4・AUS)を制して優勝。その後の世界パラトライアスロンシリーズで優勝を重ねている。
「去年は競技転向して初めてで緊張もあったが、この1年かけて経験を積んでスイム・バイク・ランのトレーニングにしっかり向き合ってきました。この大会で今の実力を確認して今後に繋げたい。ホームでの開催ということもあり、今年は応援を力に走り抜けたい。
去年に比べて進化を遂げたのはトレーニングの量。昨シーズンはバイク40キロ、ジョグ30〜40分だったトレーニングメニューが、バイク80〜90キロ、ランも1時間まで伸びた。当日は会社の同僚や友人の声援を受けながら、練習の成果が発揮できるかに注目だ」と、話した。
リオパラリンピックの金メダリスト、アメリカのグレイス・ノーマン(PTS5)は、普段はオハイオでトレーニングに取り組む20歳の大学生だ。
初めての横浜大会については「体調はいいが、時差に苦しんでいる。熟睡さえすればなんとかなる」と話し、バイクが弱点だが「花や樹木も見える素晴らしいコースで、ワクワクする」と、胸を躍らせていた。
フランスのアレクシ・アンカンコン(PTS4)は昨シーズンは数々の大会で優勝を重ね、横浜大会に初めて出場する。
「コンディションは好調なので、スピードを上げていい結果を出せるように」と自信をのぞかせた。
トライアスロン4年目の佐藤は、2010年冬のパラリンピックからクロスカントリースキーの日本代表としてパラリンピックに出場。その後、3大会連続で冬季競技にも取り組みながら、トライアスロンに挑戦。2016年リオパラリンピックに出場した。
「平昌パラリンピック後、トライアスロン仕様の体に改造しなくてはいけないのだが、ウエイトが削り足りない」と、夏冬両方に出場するパラアスリートならではの難しさを口にしていた。平昌が終わって特に取り組んできたのが弱点のスイム。フォームの改善で、横浜大会初の表彰台を狙う。
JOC理事でJTU専務理事の大塚眞一郎氏は、「今回、横浜は世界トライアスロンシリーズ、パラトライアスロンシリーズの初戦になり、私たちスタッフにとっても2020東京を踏まえた運営スタイルのテストということにもなる、重要な機会です」と話した。また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長やスポーツディレクターの室伏広治氏をはじめ、多くの要人が視察が訪れるということだ。
パラエリートレースには、海外各国から男女合わせて70人が出場。12日(土)の6時55分より、クラスごとに分かれてスタートする。2020年に向けてのシリーズ初戦、横浜の風を受けて熱戦が繰り広げられることだろう。
(校正・佐々木延江)