8月にスウェーデンで行われる知的障がい者サッカーワールドカップに出場する日本代表チームの合宿が5月2日から6日にかけて栃木県さくら市で行われた。
知的障がい者サッカーとは知的障がいのある人がプレーをするサッカー。FIFAのルールで行われ健常者が普段楽しんでいるサッカーとまったく同じサッカーだ。年齢、性別で大会、カテゴリーが違うというぐらいに思っていただければいいと思っている。選手たちも知的障がい者サッカーチームだけではなく、健常者と同じチームに所属していたり、健常者チームとの試合を行っている。
今年2回目の今回の代表合宿で行われた宇都宮短大付属サッカー部と栃木SCユースとの強化試合の様子を伝える。
(左)青いユニフォームが知的障がい者サッカー日本代表チーム (右)赤いユニフォームが宇都宮短大付属高校サッカー部
5月5日午前中強い風が吹く中、さくらグリーンフィールドで宇都宮短大付属高校サッカー部と30分3本の試合が行れた。日本代表チームは『「声」を出して、最後まで「全力で」プレーする』をゲームコンセプトに試合に臨んだ。
1本目は4-1-4-1のシステム。トップには浦川。二列目に木村、佐藤、安達、丸山。ディフェンシブハーフに徳村。ディフェンス陣が杉村、結城、谷口、小林。ゴールキーパーは内堀。
慎重に試合に入った代表チームは、宇都宮短大付属にゲームをコントロールされ受け身にまわった。ボールを奪い相手ゴールを目指しても中盤でボールを失うことが多く、多くの時間を自陣での守備に奔走されていた。開始20分浦川に代えて石綿を投入。なんとか耐えきりこのままスコアレスで終るかと思えた27分に宇都宮短大付属のシュートが決まり、1本目を0-1で終えた。
2本目に向けて西監督から選手たちに「運動量を上げよう」「下がらずディフェンスラインを上げる」と指示が伝えられた。
2本目はトップを入れ替えて試合開始。
やはりゆっくりとした試合展開。相変わらず宇都宮短大付属のペースで試合が進んで13分に失点。その後ややペースが速くなる。ベンチから指示が出るなか代表チームの動きが徐々によくなり相手ゴールを脅かすようになってきた。25分に10番佐藤が1点を返した。
3本目はシステムはそのままで選手を入れ替えて試合に入った。試合は連携が良くなりベンチからの「負けているんだぞ」との声もあり何度か相手ゴールに迫った。しかし、全体的には宇都宮短大付属のペースが続いき、多くのシュートを打たれながらも全員で体を頑張りゴールを守りきった。
試合を終えた宇都宮短大付属黒子コーチのコメント
今日のチームの状態は。
「今日は先日試合があったばかりなのでAチームの試合に出なかった選手で臨みました。普段通りのゲームができ、自分たちの力を出せました。フィニッシュの精度を欠いたので得点が出来なかったのが今後の課題です。」
知的障がい者サッカー代表チームと試合をしての感想は。
「選手たちのフィジカル、球際が強いですね。自分たちもこの試合をやって良かったです。この試合で出た課題をこれからの練習で潰していきたいです。」
午後の練習はフル出場した選手、途中出場の選手、GKに分かれて練習を行った。
最後に、コーチ陣を含めて攻撃、守備の確認をして練習を終えた。
次のページは翌日の栃木SCユースの試合の様子