3月15日・競技6日目。オリンピックプラザで前日のアルペンスキー・大回転のメダルセレモニー が開催された。細かい雨の降る夕刻、強豪国アメリカ、カナダ、オランダなどの国々の競技スタッフ、観客席にいた人々が仲間の名誉を讃えようと、あらためて、集まった。
ステージに近いファミリーエリアには、サンライズレッドの集団。村岡桃佳の今大会4個目にして日本初の金メダルを祝うためにきたアルペンスキーチームだ。前回ソチ大会でアルペンスキーヤーとして初めてパラリンピックに出場した村岡が平昌パラリンピック・アルペンスキー大回転で優勝、金メダルを獲得した。
記者たちが取り囲むミックスゾーンで、村岡は次のように話していた。
「一番きれい、重みがあります。一番観たかった景色を見ることができました。君が代を流すことができて、やっと自分の殻を敗れたのかなという気がしています。いつかはとりたいと思っていた金メダルですが、意外と早くとることができました。金メダルはゴールだと思っていたのですが、スタートだと思います」
ーー陸上も含めて、長く競技をやってきたことが今につながっているのでは?と尋ねると、
「子供の頃から競技を続けてきて、スキーだけでなく、いろんな競技をやってきたことが、こうしてスキーでも身になっていると思います」と答えてくれた。
今大会での日々のメダル獲得の背景には、森井大輝ら世界トップをいく先輩チェアスキーヤーをコーチにした環境が大きい。また、村岡は、子供の頃、パラリンピアンが指導する車椅子陸上のキャンプやレースで友達を作りながら選手として学び、様々なスポーツに取り組んできた。幼い頃から競技を楽しむこと、試合への心構えを育んできたことが、スキー選手となってから2度目のパラリンピックで金メダルという早い展開を導いたのだろう。