アイスホッケーはいよいよメダル争いをかけたセミファイナルへと突入した。3月15日にはカナダと韓国の試合が行われ、開催国・韓国は世界ランキング1位のカナダを迎えた。
第1ピリオドで次々と得点を決めたのはカナダ。4ー0で迎えた第2ピリオドには、パワープレー中にカナダのFW18番・Billy Bridgesが追加点を入れ、5ー0で最終ピリオドを迎える。第3ピリオドでは、23才の若きFW、8番Tyler McGregorが2得点をあげ、7ー0で試合は終了。カナダが圧倒的な強さを見せつけた。ベテランから若手まで、多様な選手が次々と得点を決める試合展開からは選手層の厚さを感じさせる。カナダは攻撃力を要に、これまで初戦のスウェーデン戦を17ー0、イタリア戦を10ー0、ノルウェー戦を8ー0で終え、完封勝利を貫いた。
この試合で2得点を挙げたカナダのTylerは試合後のインタビューで、「韓国戦はこれまでで最も難しい試合だった。ホームである韓国サポーターの熱気がものすごい勢いだった。そのような中で先制点を決めて会場を鎮められたことは大きい」と試合を振り返る。王者カナダにとっても、ホーム韓国のうねりのような熱狂にひるむ場面があったようだ。
カナダは現在世界ランキング1位でありながら、パラリンピックではトリノ大会以降、あと一歩及ばず金メダルに届いていない。いよいよ次はバンクーバー・ソチと2大会連続優勝の宿敵・アメリカとの戦いだ。Tylerは「最高のライバル。チームはすでにアメリカとの戦いを見据えている」と覚悟を語った。また、今後のパラホッケー界を盛り上げるためには「金メダルのために試合をするだけでなく、ファンによりレベルの高い、良い試合を見せることが大切」と口にした。世界一の結果と共に、ファンを歓喜の渦に包むことができるだろうか。カナダは18日、アメリカとの決勝戦に臨む。