平昌パラリンピック大会4日目、アルペンスキー場で行われたスーパーコンビ男子座位で、鈴木猛史が4位に入賞した。
スーパーコンビは、高速系種目のスーパーG(スーパー大回転)と技術系種目のスラローム(回転)を1本ずつ走り、その合計タイムで競う競技。2008年のバンクーバーパラリンピックより正式に採用された種目だ。
1本目のスーパーG(スーパー大回転)を9位で折り返した鈴木は、2本目のスラローム(回転)でスピード感のある軽快な滑りを見せ、巻き返した。ゴール後は駆けつけた応援団に向かって笑顔で手を振った。
「回転の方で少しは縮められたのかなと思いきや、1位の選手に差を広げられてしまいました。バーン(スキーの走路)コンディションも不安なところもあり、少し守りが多かったのかなと思いました。スーパーGは課題だらけですね。スーパー大回転のスキー板の良いところを使い切れていない。(スーパーGでの)タイム差さえなければメダル争いできたんじゃないか」とレースを振り返った鈴木。
明日14日はジャイアントスラローム(大回転)、15日は最も得意とするスラローム(回転)が待っている。
「スラローム(回転)については、若い選手には負けたくない。(今日のレースで)バーンコンディションについてスキーの板が噛むということが分かりましたので、思い切っていければいいんじゃないかなと思います。メダルを気にせずに、みなさんにかっこいい滑りを見せられたら」と決意を語った。
同種目に出場した狩野亮は、1本目のスーパーGでは4位と健闘したものの、2本目のスラロームでバランスを崩し失速し、ゴールできず失格となった。
狩野選手はレース後、「(スーパーGは)世界とは戦えるなという手応えはありますけど、滑り自体はまだまだミスはいっぱい出たなというのがある。(スラロームは)やっぱり不甲斐なかった。ちょっとバランスを崩して、頭がこんがらがりましたね。4年に1度の大舞台ということでそこまでナーバスになってしまったことで、自分らしい気持ちた感覚が作れなかった」と話した。
また、夏目堅司は1本目のスーパーGで1度大きくラインを外れてしまったものの、その後安定した滑りを見せ、2本目のスラロームにつなげた。最終順位は13位だった。
「(赤面降下剤の効果で)今までと少し雪質が変わっていたので、そこに戸惑った。最初のスーパーGでもうちょっと行きたかったんですけど、雪質の変化に対応できなかった。スラロームでは挽回できるとは思っていないので、今やれることをやるしかないなと思った」と走りを振り返った。
一方で、平昌パラリンピック1日目に行われたアルペンスキーダウンヒル(滑降)座位で銀メダルを獲得し、この種目でもメダルを期待されていた森井大輝は、1本目のスーパーGで失格。ラインを大きく外してしまったミスを立て直そうとしての転倒だった。
「すごく残念な気持ちです。ただ、転倒するまでは(雪が)荒れている中でも自分の滑りができていた。特に転倒したことによって体が傷んでいることもない。攻めての失敗なので、自分の中でぐっと歯を食いしばって次のレースに備えたい」と話した。
アルペンスキーの選手たちは、明日明後日も競技が続く。日本人のメダルが期待できるジャイアントスラローム(大回転)とスラローム(回転)。旗門の間隔が狭い中、チェアスキーで素早く正確なターンを見せる選手たちのテクニックは必見。ぜひ注目してみて欲しい。
(校正・佐々木延江)