3月13日、平昌パラリンピック競技4日目、アルペンスキーの村岡桃佳がスーパーコンビ女子座位で銅メダルを獲得した。
スーパーコンビは、高速系種目のスーパーG(スーパー大回転)と技術系種目のスラローム(回転)を1本ずつ走り、その合計タイムで競う競技。2010年のバンクーバーパラリンピックより正式に採用された種目だ。
平昌パラリンピック1日目に行われたアルペンスキーダウンヒル(滑降)座位で銀メダル、2日目のスーパーG(大回転)で銅メダルを獲得した村岡桃佳。
「ダウンヒルの初戦でいい成績を上げることもできて、本人も自信を持つことができたと思います。そして、技術的にも通用することがわかった。うまく初戦で取れたことでプレッシャーからも解放されていまのびのびと滑ることができている」と、日本選手団団長の大日方邦子さんも期待していた中で行われた3種目目だった。
1本目のスーパーGで2位につけた。村岡がメダルを獲得している2種目共に金メダルに輝いたライバル、Anna Schaffelhuber選手(ドイツ)に0.32秒差に迫るタイムで快走。
1本目と2本目の間は、「アナに勝ちたいという思いだったり、でもスラロームという苦手な種目でどうなるんだろうと不安だったり、(スラロームが得意な)Forester Anna-Lenaがどうなるかなということだったりを考えていました」と村岡。
スラロームだけで見ると2位の走りを見せた村岡だったが、結果はForester Anna-Lenaが1位、雪辱を果たしたかったAnna Schaffelhuberが2位、そして3位に村岡が続いた。1位のForester Anna-Lenaとは2.66秒差の完敗だった。
「悔しいです。1本目で結構いいタイムさで2番につけていただけあって、2本目は苦手なスラロームですけど、1番上を狙って頑張ろうと思っていたので。あまりにも完敗すぎて。正直、1本目滑りきった時のタイム差を見てこのタイム差だと正直厳しいかもしれないなと思っていたのですが、ただそれにしても2本目滑り切ってからのタイム差がありすぎて。悔しい思いももちろんそうだし、自分のまだまだ至らなさを痛感しました。」と悔しさを滲ませた。
しかし、大日方邦子団長は、前回のソチパラリンピックからの4年間の、村岡の確かな成長を感じている。
「(村岡選手の精神面の成長は、)非常に大きい。落ち着いてレースに望めています。しっかりと精神的な部分を自分自身でコントロールすることができている、そこは大きな成長だと思います。4年前はまだ本格的に競技を始めて浅かったが、この4年でしっかり技術を磨いてきました。全てのアルペンスキーレーサーに必要な技術というものを一つひとつ身に付けることができています。スキーの板に操られるのではなく、スキーの板を操作する技術をしっかりと持っているというのが一つ。それと、コースを見極めて組み立てる力もしっかりと持つことができていると感じます。」
明日以降も村岡の妙技は続く。明日14日はジャイアントスラローム(大回転)、15日はスラローム(回転)に出場予定だ。
「今日から3連戦になって正直体のコンディション的にも厳しい状況ではあるんですけど、それは他の選手も一緒。明日のGSは狙っていきたい種目ではあるので、残り1つのまだ持っていないメダルの色を目指して頑張っていきたいと思います」と村岡は明日以降の意気込みを語った。
今大会、これまでに出場した全ての種目でメダルを獲得している成長著しい村岡を、明日明後日もぜひ注目してほしい。
(校正・佐々木延江)