すでに観戦レポートにも触れた通り、3月8日、選手村で初めて北朝鮮選手団をお迎えしたウェルカムセレモニー(入村式)がおこなわれた。北朝鮮の選手たちは式が終わると早々に選手村に引き上げていきインタビューの余地がなかったが、選手団の姿はしっかりと撮影することができた。
ふと見ると、一緒に式典に参加した中国の選手団が残っていて、記念撮影タイムとなっていた。
マスコットキャラクターのバンダビもきて、楽しそうにしている様子を見て、思わず近づき、中国メディアに混じってシャッターを切った。
するとそのバンダビと選手たちの記念ショットを捉えるファインダーに、浅黒く雪焼けした人物が飛び込んで見えた。日本でのアルペンスキー・シーズンの白馬や菅平で何度もその姿が選手たちのそばにあり、熱い指導の声を聞いたことがあった。中国チームのウエアに身を包んだ、その人物が、元日本代表コーチの伴一彦さんだ、と気が付いた瞬間、伴さんの方から私を呼んでくれた。「佐々木さん!」
2010年バンクーバーパラリンピック後にチームを離れオーストラリアチームや韓国チームなど、海外のパラアルペンチームの指導を歴任、昨年10月から、次の開催地・北京での選手育成・指導のために招聘され、この平昌には中国の女子選手、LIU Sitong(LW12-2)とともに中国選手団の一員としてきていた。
LIU Sitongは1994年生まれの23歳。競技力はまだまだだという。大回転とスラロームに出場する。今回の出場について、
「(日本の)村岡桃佳の胸を借りるようなものですよ!」と、話していた。