6月11日、第20回日本知的障害者選手権・水泳選手権大会(横浜国際プール/横浜市都筑区)で、リオパラリンピック銅メダリスト津川拓也(ANAウィングフェローズ・ヴイ王子)が、400メートル個人メドレーを5分00秒35で泳ぎ、世界新記録相当をマークした。
津川は、2009年アジアユースパラゲームズではじめて国際大会に出場。ロンドンパラリンピック(2012年)100メートル背泳ぎで入賞。アジア大会、パラ世界選手権と出場してきた。昨年リオパラリンピックではついに銅メダルを獲得した。次は、9月にメキシコシティで開催されるIPC(国際パラリンピック委員会)世界水泳世界選手権だ。
「世界新、おめでとうございます!練習で工夫したのはどんなところですか?」と、400メートル個人メドレー、200メートル背泳ぎを終え、レースの感想をたずねた。
「スタート、ターン、タッチの練習を頑張りました。とくに、ターンの練習を頑張りました。つぎは200メートル背泳ぎで2分19秒を目指します」と、津川は話してくれた。
あらためて、400メートルについて聞くと、
「400メートル個人メドレーは、5分00秒35で泳ぐことができました。5分で泳ごうと思っていました」と答えてくれた。
残念ながら、400メートル個人メドレーはパラリンピックやパラ世界選手権の種目にはない。あるのは11月に開催されるINAS(国際知的障害者スポーツ連盟)主催の水泳世界選手権で、パラ世界選手権とINASの両大会には出場できないため、今後は9月に向け100、200メートル背泳ぎを練習し、7月に行われるジャパンパラリンピックに備えることになるという。
津川は、400メートルでの世界新に喜んでいるが、この日は、200メートル背泳ぎで自身の持つ日本記録(2分19秒62/タイ・2015年)から3秒以上遅れてしまったことに課題を感じているのかもしれない。
コーチでもあるお父さんの話によると、津川はリオ後は少し練習を休んでいた。3月に静岡で行われた世界選手権の選考レースに向けて練習を始め、派遣標準記録を突破して目指す通りに代表に選ばれた。身体障害の選手とともに目指すパラリンピックへの活動で、100、200メートルという短距離が津川の勝負どころになっているという。
「(400メートル個人メドレーで)最後の自由形では、息継ぎなしで泳ぐよう指示をしていました。きちんとこなせていたようです」 お父さんは、この日の息子のレースが順調だったことを教えてくれた。