3月5日(日)、2017IPCアルペンスキーワールドカップ白馬大会、大回転のレースが開幕した。国際ゲレンデでの大回転のレースに、視覚障害、立位、座位の男・女51名の選手が参加した。
晴天、気温0度、1本目は難易度のあるポールセッティングに選手たちが悩まされた。2本目は気温が上がり雪が溶けるにつれて雪面が柔らかく、荒れやすい状態になった。
2本目は1本目より力を発揮しづらい条件になることを予想していたが、ポールセッティングにより1本目より良い滑りができた選手もいた。
日本勢の活躍は、村岡桃佳が銅メダルを獲得した。小さな頃から陸上競技などスポーツに親しんできた。本格的にスキー競技を始めてすぐ2014年ソチパラリンピックを経験した。3日に20歳の誕生日を迎えた村岡にとっては初の自国開催でのレースで、両親が見守るなかでのメダルとなった。
「インスペクションで見つけた課題を解決できなかった。思う滑りができなかったが、明日のスーパー大回転も自分の好きな種目なので気を引き締めて滑ります」と取り囲む報道陣を前に冷静に話していた。
メダルが期待されていた森井大輝は6位、鈴木猛史は9位、狩野亮は1本目でコースアウト、途中棄権だった。
立位は、片足の三澤拓が6位。
この種目で2006年トリノパラリンピック銀メダルの東海将彦が出場。東海はバンクーバー出場前からの度重なる事故により厳しい調整の競技生活が続いていた。11位で終わったが、平昌を目指す戦いをつづけている。
また、立位では今シーズンから育成選手として強化合宿に参加した本堂杏実(20歳)と高橋幸平(16歳)が特別参加枠で出場した。パラ選手発掘プロジェクトで誘われ8月よりスキー競技を始め、オーストリアでクラスを取得。平昌出場を目指している。
本堂はラグビー選手として日体大へ入学したが、現在はスキー部に所属し初心者からスタート。基礎から学んでいる。
1本目のレース後、本堂は
「初めてのコースで、スタートはうまくいったが、すぐに急斜面となり余裕ない滑りでした。上のクラスの選手と滑れる機会なので少しでも近づけるようにしたい。悔しいレースだったので、2本目は苦のない滑りにしたい」と話していた。2本目は納得のいく滑りができたようだった。
視覚障害は日本選手の出場はない。スロバキア男子チームが表彰台を独占した。
写真・山下元気