1月21日(土)横浜ラポール(横浜市港北区)で第14回横浜F・マリノスカップ・電動車椅子サッカー横浜大会(横浜マリノス主催)が行われ、神奈川、長野など地域から招待された8チームが集合した。
日本選手権に先立って、10キロ(国際ルール)・6キロ(国内ルール)の試合が初めて併催され、アメリカ製の電動車椅子ストライクフォースに乗った10キロカテゴリーでは長野のFCクラッシャーズが優勝。MVPにはFCクラッシャーズの飯島洸洋が表彰された。
6キロでは埼玉県のBLACK HAMERSが優勝、MIPには石井佑季が選ばれた。
優勝したFCクラッシャーズ
注目の10キロカテゴリー、前半最後のゴール前でこの試合唯一となる1点を決めたFCクラッシャーズのエース・飯島洸洋は、後半に向けしっかりと作戦を展開し、横浜クラッカーズの反撃を封じた。決勝戦のあと、つぎのように話してくれた。
「スタートもよく入ることができ、ダメだったところの修正をハーフタイムで共有した。うまくいきました。前半のスコアは上でしたが、実際は相手ペースだったんです。後半に向かう作戦は、一人がボールを持つ時間を長くとり、相手が受け身になる時間を稼いでペース崩すのが作戦でした」
ホストチーム・横浜クラッカーズは準優勝
地元でホスト役にもなる横浜クラッカーズは、Wingとの第1試合を4ー2で勝ち進んたが調子は良くなかった。決勝戦ではチームの強みの個性を発揮した試合で優勝を目指したが、前半から多くの得点チャンスを逃したすえ先制点を許した。リベンジをかけた後半戦では、FCクラッシャーズ・飯島を中心とする動きを止められず、得意のセットプレーに持ち込むチャンスも逃していた。
7月のフロリダでのワールドカップへ、日本代表候補と注目されている三上勇輝は試合後に「前半で決めるチャンスが3−4回あったのに、決めることができなかった。後半で飯島選手を散らせることができればと思ったが、真ん中に居座られてしまい、動かすことができなかった。共有をうまくすることが必要でした」と話してくれた。
女子プレーヤーでAPOカップ(アジアオセアニア選手権大会)日本代表の経験もある永岡真理は、彼女を見てきた人の話によると、ここ数年日本代表を目指して練習し力をつけつつあると言う。この日は第1試合で自分のプレーをすることができず、強い意思で臨んだ決勝戦では終始出場し飯島と対決したが、得点につなげることができなかった。
「自分自身のプレーができず、とても悔しいです」と、この試合にかけていた強い想いを解放させる試合ができなかった悔しさを抑え、笑顔すら見せつつ淡々と振舞う永岡。あとで「応援ありがとうございます、必ず次へつなげます」と連絡もくれた。落胆は大きいようだったが、底知れない勝ちへの気迫を感じた。次の試合に向け立て直すことができれば、横浜クラッカーズのメンバーにとってどんなに力強いことだろう。
横浜クラッカーズの平野誠樹監督は、
「次の試合は3月18日のドリームカップです。10キロで、よりレベルの高い大会になるので、今度こそはしっかり力を出して戦いたい」と話していた。
平野監督は、個性の揃うメンバーを家族のようにフォローし、常にチームの可能性を高めようとしている。電動車椅子サッカーは重度障害の種目だけに体調を気遣いながら競技をするが、平野は「勝ちにこだわるサッカー」を求めてきた。結果、ワールドカップ日本代表候補を複数有するチームとなり、その成長はつねに課題と希望につつまれ、サッカーを愛するスタッフに支えられ、ファンの応援を増やしている。
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<参考>
記事「サッカーへの想い、2020東京へとどけ! 〜電動車いすサッカーイベントで競技の楽しさを伝える!〜」
http://www.paraphoto.org/?p=332
第14回横浜F・マリノスカップ・電動車椅子サッカー横浜大会(横浜マリノスサイト)
http://www.f-marinos.com/news/detail/2017-01-14/100000/183322
日本電動車椅子サッカー協会
http://www.web-jpfa.jp
神奈川県電動車椅子サッカー協会
http://scn-net.easymyweb.jp/member/kanagawa_ewcfa/default.asp