足を使わないサッカー
電動車椅子サッカーは「足を使わないサッカー」。指先のコントローラーで電動車椅子を操作してフットサル・サイズのフィールドを駆け、直径約23.5cmのボールを蹴り、フットガードでパスを出す、ドリブルで持ち込む、打つなどして、ゴールを狙い点を取る。重度障害により電動車椅子で生活する人のスポーツで、障害の状態により参加資格に制限がある。ゲームは4対4で行われ、男女は同一クラスである。
永岡真理
8歳で電動車椅子サッカーに出会い現在25歳のプレーヤー永岡真理がいる。横浜市瀬谷区在住で、「勝ちにこだわるサッカー」を伝統としてきた、横浜クラッカーズに所属。東洋英和女学院大学を卒業後、パラリンピック・スキー金メダリスト狩野亮も所属する株式会社マルハンに在宅勤務している。
永岡は日本の電動車椅子サッカーには数少ない女子選手の一人で、チームのエースだ。当初は男子ばかりだったこのスポーツも最近は女子プレーヤーが増えてきた。中でも永岡は相手のメンタルを利用して攻める冷静なプレーにより全国大会でチームを優勝に導き、MVPとして表彰されたこともある。ポジションは作戦に応じでフォワードもアシストもこなす。
永岡は脊髄性筋萎縮症という病気を持って生まれ、人生の多くを電動車椅子で過ごしているが、実はじっとしていることが大の苦手だ。
「じっとしてるのが苦手、つまり体を動かすことが大好きで、中学ではドッジボール大会も毎年出場していました。横浜ラポールで、ボッチャ、ボーリング、陸上、卓球もやりました」と子供の頃を振り返る永岡。ちなみに陸上では全国障害者国体に横浜代表として4回出場、3度の優勝を果たしている。
電動車椅子サッカーに出会い、ジュニア時代を経て、横浜クラッカーズの主力選手に成長した。
何より「サッカーが好きな自分」を見つけたことは永岡の幸運だ。女子電動車椅子サッカー選手として、自分自身だけでなく、仲間や家族、応援する人々のスポーツへの意識を高め、ともに輝ける舞台を切り拓いてきた。女性ならではの発想のちがいでチームの競技力を高めることにも貢献している。
→Q 日本代表へ、悔いなく、目標に向かってやり遂げたい!